産経新聞×銀座セカンドライフ タイアップ企画

【片桐実央のゆる起業のススメ】起業における難関と落とし穴

更新日:2017.03.08

 外国人をターゲットに、みそを使った日本食を開発し、海外で販売したい男性(51)がいました。起業にあたり、どのような点に注意すればよいかを知りたいとのこと。今日は、起業の難関と落とし穴をお話しします。

 ■広告宣伝費をかけ過ぎる 自社商品を宣伝しないと売り上げを確保するのは難しいので、ある程度の投資は必要です。しかし、起業して最初に多い失敗は、広告宣伝費のかけ過ぎです。自社のホームページやチラシの制作を業者に依頼する場合は、相見積を取るように。最初から高額な資金を投じて最上級の出来栄えを目指すのではなく、定期的にリニューアルし、成長に応じて段階的により良いものを目指しましょう。

 地域のミニコミ誌などに広告を掲載する場合は、どの広告から売り上げや問い合わせがあったか、費用対効果を確認しましょう。また、チラシには印となるコードを入れ、そのチラシを持参していただくような宣伝方法をとれば、どのルートでの配布に効果があったかを確認できます。少額でも複数の方法を試し、反応の良いものだけを続行すると効率よく宣伝できます。

 ■固定費をかけ過ぎる 事務所の賃料や人件費などの固定費は毎月かかります。売り上げが減少しても、すぐには削減できないので固定費の増額は慎重に判断しましょう。固定費をまかなうために、毎月最低何個、最低いくらの売り上げが必要かを逆算するといいでしょう。

 ■人に依存し過ぎる 提携先や協力企業が増えると、それだけ事業に弾みがつきます。事業を安定して発展させるために人との縁は大切です。しかし、大事なことは協業相手に頼り過ぎないことです。事業はWin-Win(ウィン ウィン)関係を構築し、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三方良しが基本です。協業関係を継続するためには、互いの仕事ぶりに不満が出ないよう、実施項目を洗い出し、役割分担をしっかりしましょう。

 男性は、商品開発を他社の工場に依頼しました。製造現場の意見も取り入れつつ、具体的に指示をして味やパッケージにこだわりました。前職での知人関係を中心に営業し、ある程度の販売数に達したら、広告費をかけ積極的に展開する予定です。

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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