産経新聞×銀座セカンドライフ タイアップ企画

【片桐実央の起業相談】まず難易度の低いビジネスから

更新日:2017.10.16

 Q 記事の取材執筆と広告営業の仕事をしていましたが、夫の海外赴任に伴い退職しました。その後、帰国し生活が落ち着いたので起業したいと考えています。在職中は他社を訪問する機会が多いのに、手持ちの服が少なく困っていたことを思い出しました。派手過ぎず、周囲から信頼されるようなイメージの管理職の女性向けの服作りをしたいと考えています。

 A 起業する際の一つの基準が、(1)その商品・サービスを提供するのに自分の経験・能力で足りているか(2)その商品・サービスの販売先があるか-です。起業時に(1)(2)の双方をクリアする方は少数派でで、(1)(2)のいずれかがあれば起業してやっていける可能性があると思います。

 今回の場合、服作りのご経験がないので、デザイン作成、製造工場の確保が大変です。また、販売先を新規開拓すると、販売方法の検討、見込み客の獲得に時間がかかります。違うアプローチを考えたほうが良いかもしれません。

 Q ではどのような方法で、オリジナルの服作りができますか?
 A オリジナルブランドの服作りは資金と時間がかなりかかるので、その手前の事業を考えると良いと思います。例えば、将来の服作りのために、自分が得意な分野で事業を立ち上げ、将来、服を販売する際の見込み客を囲い込んでおく方法です。投資が必要なハードルが高いビジネスを始めたい場合、最初は難易度の低いビジネスで始めたほうが良いでしょう。その後、本当にご自身が取り組みたい事業につながる種まきをしておく考え方です。

 今回の場合は、前職の経験を生かして、管理職の女性向けのウェブマガジンを始めたり、女性経営者の企業に対して広報のコンサルティングを始め、女性経営者のコミュニティーを立ち上げたりといった事業はいかがでしょうか。見込み客が集まった段階で、ニーズをよく聞きながら、服のデザインや価格などを決めたほうが売りやすくなります。どのようなアイデアで起業するかを決めたら、次は売り方を考えましょう。

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

現在の利用会員数

17,023

調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
インターネット・アンケート調査

無料メールマガジン

キャンペーン情報や、助成金情報、交流会・セミナー等、起業家にとって役立つ情報を発信しています。

メールマガジンの詳細