更新日:2018.07.16
Q スポーツの試合の様子をリアルタイムで動画配信する事業を営んでいます。起業後売上を上げるために今まで苦労しましたが、起業4年目でやっと黒字になりました。そうしたら、ある大手の会社から一緒に事業をやらないかと誘われました。球団を経営している会社なので、スポーツには積極的です。当社よりも規模が大きい会社で、この会社と組むと事業展開も広がり、売上もさらに上がる気もします。一方で相手の規模が大きくやり手なので、自分の会社の経営への影響が不安です。この後どのような返事をしたら良いか教えてください。
A 業務提携のお話がきたということは御社の事業が魅力的に見えたということで良いお話だと思います。業務提携といっても、単に業務を一緒に実施するだけのものから、より密な関係を築くために資本提携までする組み方もあります。業務提携をすることで、お互いに協力体制ができ、自社単独では難しかった仕事ができるようになったり、売上向上・コスト削減に繫がることがあります。
一方、資本提携をすると、解消は簡単にできないため提携関係がより強固になり、関係は継続しやすいです。また、資本提携の場合は、出資比率にもよりますが、経営に対して参加してくることになります。業務提携だけですと互いに対等ですが、資本提携の場合は、対等ではありません。出資者が経営陣を送り込んでくることもあります。
Q もう少し関係性薄く業務提携をしたい場合、どうしたら良いでしょうか。
A 業務委託契約書を締結して、案件ごとに注文書・注文請書を取り交わしながら、毎回仕事を受注することができます。この場合も業務提携のような対等の立場ではなく、仕事の外注先に御社があたることになりますが、御社の事業拡大のために、その都度仕事を受注したいというご要望に応えることができます。しかし、業務委託契約の場合、一般的に、契約期間が1年等で、その後自動更新が付いていますが、途中で解約できるようになっている契約内容が多いです。ですので、いつでも解約が可能で、継続して定期的に仕事を依頼されるという安心感はありません。
以上のように、他社との仕事の組み方は、選択肢があり、一長一短です。リスクを把握しつつ、上手く付き合い、事業に弾みをつけましょう。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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