更新日:2019.09.17
できれば起業したいという方が増えています。定年まで勤めてからという方と、早期退職して始める方がいますが、いずれにせよ「人生100年時代」を乗り切るため、起業という選択肢を考える方が増えました。近年、小さく起業するスタイルも浸透しているので、今回は起業前に一度立ち止まって、失敗しないために点検しておくべき5カ条についてお話しします。
(1)自分のできることで起業する
50~60代の方は、1人で起業する人がほとんどです。その場合は、自分にできる仕事で起業した方が、外注せずに済みサービスも提供しやすくなります。
実際に相談を受けた事例では、家事代行サービスを始めようとした男性がいました。自分で家事を行うのではなく、主婦らをパートとして雇う事業計画です。この状態では、依頼がある度に、労働力を探さなければならず、顧客の希望に応じた柔軟なサービスの提供が難しくなります。仕事が決まりづらくなりかねないので、自身だけで対応可能な計画が望ましいです。
(2)自分のやりたいことで起業する
なるべく前職などの経験を生かすことが大切ですが、そうは言ってもセカンドライフをより充実させるために、今までやりたかったけどやっていなかった夢で事業を立ち上げる選択肢もあります。喫茶店や民泊などでは、多額の資金を要する場合もあるので、リスクを低くする工夫が重要になってきます。
(3)社会性や時流を意識する
創業によって社会課題を解決するビジネスを選ぶと事業が伸びやすいです。自分のために立ち上げる事業ではなく、世の中のために立ち上げるという要素があると、その事業を応援してくれる人が増え、口コミで広がりやすいです。
(4)起業にかかるお金を計算する
起業アイデアを実現するためにいくら必要かを計算しましょう。思った以上に事業規模が大きくなってしまい、アイデアを見直す人もいます。起業にかかるお金を計算するには、初期投資と毎月かかる経費(運転資金)を3カ月分洗い出します。そして、自己資金だけで起業するのか、銀行からの融資や公的な助成金などの支援を活用するかによっても計画は変わってくるでしょう。身の丈にあった起業を意識してください。
(5)事業の実現可能性を考える
起業する上で、実現できそうか、よく考えましょう。事業の継続性も大切ですが、そもそも事業が始められるかを最初に考えてください。サービス提供のために必要な人材や材料を確保できるか、売り方のイメージはあるか、リスクを洗い出し回避できているか、起業スケジュールに無理がないかなどに注意しましょう。
以上、5つの要素を挙げました。起業に関心がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
|
|
『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
|
『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
|
調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
インターネット・アンケート調査