更新日:2019.12.02
「どんな業種で起業すると成功しやすいのですか」「起業で失敗しない方法を教えてください」-。起業に関するセミナーや個別相談のとき、こうした質問をしばしば受けます。回答するのは非常に難しいですが、あえて言うならば、リスクを減らすことが事業の継続につながります。では、どのようにリスクを減らせばいいのでしょうか。
(1)在庫を持たない
物販を行う場合、仕入れをして在庫を抱えるわけですが、一定の資金が必要となりますし、売れない場合のリスクがあります。在庫を持つとしても、売り先が決まってから仕入れたり、そもそも仕入れはせずに売り先と買い先を仲介して手数料を得たりする取引形態もあります。極力在庫を持たないようにするのがポイントの一つです。
(2)固定費かけない
事業を行う上で毎月かかる経費が多いと、売り上げがなくても払っていかなければならないため、事業が安定しません。創業当初は、売り上げがなかなか伸びなくても事業が維持できるように、経費の負担をなるべく抑えましょう。
(3)初期投資少なめ
事業にもよりますが、最初にかかる投資額が少なければ少ないほど、事業の軌道修正をしやすくなります。顧客の反応を見て手応えを感じたら投資しましょう。事業は小さく始めて徐々に広げていくべきです。
この3つのポイントが起業が失敗するリスクの低減につながります。しかし、そもそも前提として成功しやすい事業を選んでいただくのがベスト。今回は3つお話ししましょう。
◆経験を生かして
今までの経験を生かして起業すると成功する確率が高いといわれています。経験というのは、仕事上の経験もありますが、それ以外でも資格取得や趣味などで勉強してきたことも含まれます。経験があることで起業すると、どのようにして顧客を獲得するのか、商品・サービスの提供方法も勝手が分かるので、軌道に乗りやすくなります。
◆時流を意識する
世の中の流れを見極め、つかむように事業を考えると成功しやすいでしょう。時流とは例えば、最近では「インバウンド(訪日外国人客)」や「働き方改革」「クラウドサービス」「東京五輪・パラリンピック」などのキーワードが挙げられます。時流を意識した事業展開や商品・サービス開発をすることで、メディアに取り上げられ、注目を集めやすくなります。
◆社会課題の解決
事業を考える上で、社会的な課題を解決する点を盛り込むと事業が伸びやすくなります。自分のために行うビジネスではなく、世の中の人のために行う事業の方が、共感してくれる人が増え、口コミで広がります。また行政の助成金やビジネスプランコンテストでも採択されやすくなるので、ビジネスプランを考える上で意識しましょう。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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