更新日:2014.09.30
「法人名はどのように決めたら良いですか?」という質問をよく受けます。今回は、株式会社や合同会社、一般社団・一般財団法人やNPO法人など法人を設立するときに決める「法人名」についてお話しします。
(1)「株式会社」「一般社団法人」などを名前の前後に付けます。後に付ける「○○株式会社」か、前に付ける「株式会社○○」のどちらかを考えましょう。以前は後に付ける人が多かった気がしますが、最近は前に付ける人が多いです。(2)使える文字には、漢字、ひらがな、カタカナはもちろん、ローマ字や数字も大丈夫です。その他、使用できる記号として「&」「-」「・」などがあります。(3)英文名も決めることができます。英文名は登記の必要はありませんが、定めることができます。設立時に定款に記載しましょう。(4)法人名が長いと読みづらく後で社名変更するケースもあります。できるだけ分かりやすい法人名が顧客からも親しまれるでしょう。また、法人名を経営理念に基づいた当て字にして、印象的になるよう工夫している人もいます。(5)インターネットで検索して同様の法人名がないか確認しましょう。法律上は、同じ社名が同じ住所に存在しないかぎり登記できます。しかし、似た社名があると、インターネットで検索した際に間違われたり、誤解されたりすることがあります。
(6)法人名を考えたら、独自ドメインの取得を検討しましょう。独自ドメインは、ホームページやメールアドレスを作成する際、「http://○○.co.jp」の丸の部分に会社名を入れて取得します。法人設立をしないと「co.jp」のドメインは取得できないので、「co.jp」のドメインを保有することは、法人である証明にもなり、信頼性の向上につながります。(7)法人名を決めたら商標登録することも検討しましょう。例えば、Aさんが「銀座セカンドライフ株式会社」と法人登記した後、Bさんが「銀座セカンドライフ」という商標を同じ分野で登録したとします。その場合、Aさんが「株式会社」を付けずに「銀座セカンドライフセミナー」など、商品・サービスの名称として表記した場合は、他者の商標権を侵害する恐れがあります。(8)企業イメージを表現したロゴも考えましょう。名刺など法人名とともに記載します。企業のイメージを印象づけられ、会社の信頼性確保やイメージアップにもつながります。
最後に。法人名は登記後に変更しようとすると、変更手数料として3万円を法務局に納めなければなりません。また法人名変更をすると、銀行や税務署の届け出などに労力がかかり、さらに封筒や名刺、ホームページなど、広告物の変更にも費用がかかります。変更は思ったよりも大変です。後悔のないよう決めたいですね。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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