産経新聞×銀座セカンドライフ タイアップ企画

【ゆる起業のススメ】(39)50代と60代で異なる意識

更新日:2014.11.11

 定年前に早期退職をして起業する50代と、定年後に起業する60代では起業に対する意識が異なるようです。今回は年代別の起業意識や分野、年齢に関係なく起業する上で心にとどめていただきたいことを紹介したいと思います。

 50代の方からは「長年会社勤めしてきたが、もう一花咲かせたい」「再雇用制度はあるが給与は激減」「転職支援や再就職支援を利用しているが希望する職種や条件に合うものがない」「老後、年金だけでは不安」-という声をよく聞きます。

 50代の起業は、思い続けた夢の実現や収入の確保を目的にされる方が多いです。最近は、転職や再就職に加えて、独立・起業にも関心を持つ方が増えていると感じます。

 起業分野は今までの仕事経験を生かせる分野が多いです。50代の方は、どの分野で起業するか▽定年後に起業するか▽早期退職して起業するか-などを考え、自分の「起業可能性」を自己診断してみてはいかがでしょうか。

 一方、60代は「起業で人生一発逆転!」というより「定年後も社会とつながりを持ちたい」「年金プラス副収入を得たい」というケースが多いようです。

 定年の数カ月前から準備を始める方が多いです。また、定年後に仕事から解放され、ゴルフや旅行三昧の日々を送ったものの物足りなさを感じ、起業する場合もあります。

 60代の起業のもう一つの特徴は、楽しみながら収入を得ることが挙げられます。起業分野も50代と比較して、今までの仕事の延長というより、「得意なこと」「やりたいこと」を生かす傾向があります。「人から頼まれたからこの仕事を始めた」という経緯がある方もいて、私もそのようなスタイルをお勧めしています。

 最近では40代から老後を考え、定年前後での起業について相談されるようになりました。

 雇用環境や年金などの社会保障制度がどのように変わったとしても「シニア起業」にとって大切なものは、次の3つです。

 (1)家族の理解 子供の教育費や住宅ローンが残っている場合もあります。リスクを減らしつつ起業するとしても身近な人に心配されないようにしましょう。精神的に大変なこともありますので家族の支えが必要です。

 (2)初期投資と固定費を抑えた事業展開 ある程度の投資は必要ですが、多すぎると回収までに時間がかかります。「シニア起業」では投資を抑え、リスクを減らすことで成功の可能性が高まります。

 (3)第三者の助言 起業は自分の「思い」が大切です。しかし、第三者からの客観的な視点も必要です。特に事業計画書などは、第三者のアドバイスによって自分が予期していなかった気づきも得られます。

 起業準備に最適な時期は人それぞれ。起業を含めて将来を考えることで、新しい将来像が見えてくるかもしれません。

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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