更新日:2014.12.09
起業にあたり、身近に相談できる人はいますか? 多くの方が家族や友人など身近な方に、まずは相談されると思います。しかし、そういった方々は専門家ではないので、自身の経験や主観に基づいたアドバイスになり、必ずしも正しい方向に導いてくれるとは限りません。
相談先の一つとして、公的機関をお勧めします。経験豊富な専門家から、客観的で公平なアドバイスを受けられるだけでなく、起業に役立つ施策や融資、補助金などの情報も入手できます。
起業を支援する公的機関は数多くありますが、今回は東京都を例に紹介します。道府県にも同様の機関がありますので、ぜひ訪ねてみてください。
(1)東京都中小企業振興公社 東京都の外郭団体で中小企業の総合的、中核的な支援機関です。これから起業する方や、起業したばかりの方に向けて支援事業を実施しています。特徴は「インキュベーションオフィス」の運営です。「インキュベーション(incubation)」は「培養、保育」などの意味があり、国や地方自治体などが新企業に経営技術や金銭、人材などを提供し、育成することを指します。現在、都内には公社が運営する5つのインキュベーションオフィスがあります。安価で仕事場を借りられるうえ、各種の起業支援を受けられます。
(2)東京商工会議所 東京23区内の約8万社が属する経済団体です。起業支援事業として、準備段階に合わせた支援を実施しています。お勧めは、起業について個別に相談できる「創業窓口相談」です。会社設立や融資、補助金の種類、手続きなどの案内や、事業計画の作成方法、内容についてアドバイスが受けられます。相談料は無料。初回は予約不要なので、気軽に相談できます。
(3)東京信用保証協会 金融機関から事業資金の融資を受ける際、個人では信用力(返済能力)が乏しいと判断され、希望する額を借りられない場合があります。その場合、協会の審査を経て、保証を受けられれば金融機関から借り入れがしやすくなります。
(4)日本政策金融公庫 政府系の金融機関で、民間金融機関から融資を受けるより手続きが簡単です。また、融資期間中に金利が変動しない固定金利を適用したり、民間金融機関より有利な利率で融資を受けられたりといった利点があります。また、融資先の約半数が個人企業で、無担保融資が主力です。数ある金融機関の中でも、まず最初に相談してもいいかもしれません。
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東京都の代表的な4つの公的機関をご紹介しました。他にも利用できる公的機関はあり、無料か安価で利用できるケースが多いので、積極的に利用した方がいいと思います。
起業前の悩みや不安は誰にでもあります。公的機関に相談すると、不安が解消されるだけでなく、事業を正しい方向へと導いてくれる助けとなるはずです。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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