更新日:2015.01.27
起業する年には、「起業の年間計画表」を作成することをお勧めします。表の横軸には今年1月から12月までの時間軸を、縦軸には起業の前後で実施する項目を記載します。項目ごとに実施の開始から完了予定までを矢印で結び、「これは4月から始めて2カ月間かかる」などが一目で分かるように書きましょう。一般的な実施項目と所要月数の目安を説明します。
(1)事業計画書を作成する(3カ月)
事業内容が固まってきたら、「事業計画書」を作成します。販売や資金計画、事業内容の説明資料としても有効です。また、起業についての課題やリスクを把握することができます。
(2)事務所の場所選び(1カ月)
起業をする際は、事務所の場所や打ち合わせ場所を決めましょう。定年前後での起業の場合、事務所として自宅やレンタルオフィス、打ち合わせ場所として喫茶店やホテルを活用する人が多いです。
(3)個人開業・法人設立準備(2週間)
事業計画書の作成後、開業・設立の準備をします。個人事業主として開業する場合は、開業してから1カ月以内に税務署へ開業届出書を提出します。法人の場合は、会社の基本規則を定めた「定款」を作成し、公証役場で定款の認証後、法務局へ設立登記をします。登記完了後は、税務署への法人設立届出書も忘れずに提出しましょう。
(4)補助金の申請(2カ月)
起業のための資金を調達する手段として、国や自治体などの公的な補助金などがあります。特に起業準備には「創業・第二創業促進補助金」がお勧めです。前回のコラムで紹介しましたが、この補助金は9日に予算案が閣議決定されたばかりなので、詳細はこれから発表されます。補助金の申請をしてから数カ月後に採択結果が発表され、採択されたら約半年から1年の間にかかった経費の3分の2が補助されます。
(5)融資の申請(3カ月)
金融機関に融資申請ができるのは、これから使う予定の経費だけです。初めての融資は、審査などに時間がかかるので、早めの準備が必要です。
(6)採用活動(3カ月)
従業員を採用する場合は、事務所などの勤務地が決定してから、求人の手配をします。勤務地が決定していない場合、ハローワークなどに求人依頼を出せない場合もあります。
(7)販路開拓・集客(3カ月)
事業の安定には、集客方法が大切です。起業時は最も効果が高そうなものから試しましょう。ホームページやチラシの内容を考え、業者に発注し、完成してから集客が始められますので、早めに準備しましょう。
年間計画の作成により、起業に際し実施した方が良い項目の洗い出しができ、実施に必要な期間や順番が明確になります。やらなくてはならないことの漏れもなくなりますので、ぜひご活用ください。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
|
|
『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
|
『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
|
調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
インターネット・アンケート調査