更新日:2015.02.24
最近「シニア起業」が増えてきたことで、各行政によるさまざまな統計が発表されてきました。
最近のシニア起業について状況をお伝えします。
(1)起業時の年齢 政府の「2014年度版中小企業白書」によると、現在の日本の起業時の平均年齢は41.7歳ですが、起業希望者および起業家の推移を年齢別に見ると、60歳以上の割合は年々高まっています。
(2)シニア起業家の開業動機 日本政策金融公庫の「シニア起業家の開業2012年度新規開業実態調査から」によると、シニア起業家が開業した理由として挙げられるのは「仕事の経験・知識や資格を生かしたかったから」「社会の役に立つ仕事がしたかった」「年齢や性別に関係なく仕事がしたかった」-が上位3項目となっています。一方、収入について「できるだけ多くの収入を得たい」を挙げる起業家は少ないです。
(3)起業分野 60歳以上の起業家は経営コンサルタントや営業代行など、これまでの職歴を生かした「サービス業」の割合が高いのが特徴です。飲食業なども加えると7割近くに上り、全体平均(5割)を上回ります。
(4)起業にかかった費用 シニア起業では、200万円超~500万円以下の資金で始める人が多く、50万円以下が続きます。退職金や貯蓄の中から、無理せず捻出できる金額を用意している場合が多いようです。
以上が「シニア起業」の最近の状況ですが、セカンドライフの選択肢として「起業」することを選んだとき、まず考えることは「どの分野で起業をするか」です。実際に起業した方には次の観点で事業を選んでいる方が多くいます。
それは、少ない投資で始められる▽やりがいがあり“楽しむ”気持ちを持てる▽自身の持っている知識や経験を生かせる▽社会に役立つと感じられる▽年齢に関係なくできる-などの観点です。
50、60代で起業する人の特徴は「一か八か」といった切迫感はなく、自分の幸せや充実感などを得るために、無理をしない『ゆるり』とした気持ちをもった起業です。これを『ゆる起業』と弊社では呼んでいます。
『ゆる起業』とは、自分の好きな仕事で起業し、無理せず、適度な収入を得るための起業。原則は、利益を追求し事業を拡大するより、「楽しいと思えること」を「楽しいと思える」だけやることです。また、必死になって仕事を取ってくるのではなく、「周囲に自分が必要とされている」と実感することで「やりがい」を感じられるような仕事をすることです。
前職で培った実務の豊富な経験や人脈などは、一朝一夕に身につかない大切な資産です。その資産を生かし、リスクが少なくやりがいがあり、長く続けられる仕事を選択できることは、セカンドライフ起業の最大の特徴であり、成功する要素を多く含んでいるといえます。自身に最適なセカンドライフを考えてみましょう。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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