更新日:2015.04.15
今回ご紹介するのは製造業を定年退職した60代の男性。趣味のゴルフを生かしてオリジナルのゴルフ商品(手袋)を開発し、個人向けに製造販売しようと考えています。商品は工場に外注して製造してもらう予定です。さて、どのように起業の準備を進めるとよいでしょうか。製造業で大切な「商品開発」と「在庫リスク」についてお話しします。
まず、オリジナル商品にどの程度、需要があるかを調査する必要があります。ゴルフ仲間が身近にいればよいですが、いない場合はツイッターやフェイスブックなど、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用し、さまざまな意見を集めましょう。商品サンプルやデザイン案などを示して、具体的な意見を聞き、改良を加えることが大切です。また、意見をいただいた方は、商品化した際の見込み客にもなると捉えましょう。
続いて在庫についてです。製造した商品が完売しない場合もあります。多くの在庫を抱えることは避けたいものです。注文を受けてから製造する受注生産は、在庫を抱えるリスクはありませんが、買い手に商品がわたるまで時間がかかってしまうのが難点。せっかくの注文もキャンセルされてしまうかもしれません。
在庫を多少持つ場合は、発注一回当たりの数量を小さくする小ロット生産と呼ばれる製造方法がお勧めです。できるだけ小さな数量で生産を請け負ってくれる工場を探しましょう。
オリジナル商品を販売するのであれば、商標登録の出願をお勧めします。商標登録すれば他社に同一・類似商標を使用させない効果があります。起業時には、他社の商標権を侵害するリスクを回避することも必要です。もし、商標登録せずに商品に名前を付け、他社から「うちの商標権を侵害している」と訴えられると、最悪の場合、商品を回収しなければならなくなります。自力で商標出願することはできますが、難しい場合は専門家である弁理士に依頼しましょう。
男性の場合は改良を重ね、商品がやっと出来上がりました。現在、販路開拓に力を注いでいます。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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