産経新聞×銀座セカンドライフ タイアップ企画

【ゆる起業のススメ】(6)自社の強みを発見する方法

更新日:2014.02.18

前回のコラムでは、市場調査が起業するうえで成否を分けるとお話ししました。もう一つ忘れてはならないのが「競合他社」の調査です。

特に「シニア起業」では、今までの経験や人脈を活用する方が多いので、起業する際の事業内容も、前職の延長線の内容を選ぶことが多くなります。そのためか、他社との違いや自社の強みを意識することを忘れがちです。前の会社では売り上げが上がったとしても、起業して1人で行う場合、同じように売れるとは限りません。改めて自社の商品・サービスの良さを考えましょう。

お客さまの立場になり、「なぜ、自分の所から買うのか」という点を明確にして起業を考えましょう。大手企業を含め、どの業界も競争が激化しています。競合他社の中から自社の商品・サービスを選んでもらうためには、その理由が重要です。お客さまが満足し選びたくなる理由、つまり競合他社との「差別化」が必要です。「差別化」のための3つの手順をお伝えします。

◆(1)競合他社を調べる

インターネットなどで検索するだけでなく、サービスによっては実際に歩いて競合他社の商品・サービスを調べます。目安として、約10社をピックアップしましょう。

◆(2)比較表を作成する

競合との違いをまとめた表を作成します。縦に競合他社名、横はお客さまがサービスを比較すると思われる項目を入れます。例えば、価格、メニュー、立地、営業時間、提供方法、納期です。もちろん、縦の一番上には自社を入れてくださいね。

◆(3)自社の位置付けを明確にする

一覧表で競合他社と比較すると、どの点が自社に有利でどの点が不利か、自社の特徴やセールスポイントが明確になります。そして、お客さまに自社の特徴を覚えてもらうために、営業の際に話したり、チラシやパンフレットなどで強調したりしましょう。

具体例として、結婚相談業を考えてみましょう。競合S社は40代以上対象で会員数は数百人、コンピューターで素早くマッチングを行い、価格は高め。一方、Aさんが始めようとしている結婚相談所は、口コミで集めた知人・友人が会員で、アットホームな雰囲気。ゆっくりと時間をかけてマッチングを行う人物重視、価格はリーズナブルです。この場合、競合S社と対極に位置したサービスを提供できることがAさんのセールスポイントです。

これら競合他社調査は起業後も定期的に実施します。差別化が図りづらくなったら、自社のサービスを随時、見直しましょう。

「お客さまが選びたくなるサービス」を提供し、そのサービスが「競合他社と差別化できている」こと。これが「ゆるり」とした気持ちで、無理なく始められるシニア世代の「ゆる起業」の理想です。

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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