産経新聞×銀座セカンドライフ タイアップ企画

【片桐実央のゆる起業のススメ】「雇用」か「業務委託」か…

更新日:2015.04.22

 海外勤務の経験があり、海外で買い付けた珍しい宝飾品を、日本で販売したいと考える元物流会社勤務の女性からの相談です。女性はイベントを開催して、参加者にアドバイスしながら直接販売したいと希望しています。ただ、1人でイベントを切り盛りするのが不安なため、どのように人材を確保すればよいかという相談でした。

 積極的にイベントを開催し、万全な体制で臨むためには人手が必要です。まずはイベントのときだけ人手が必要なのか、イベント以外でも必要かを考え、働いてもらいたい労働時間を計算しましょう。

 人材確保の方法は「雇用」と「業務委託」があります。雇用の場合は、労災保険の加入義務などがあります。また、毎月の給料負担があります。従業員という立場で会社の方針なども理解し、戦力になってくれるでしょう。

 一方、業務委託の場合は労災保険の加入義務はなく、業務委託料のみを支払います。ただし、業務委託のほうが、直接雇用のアルバイト料などよりも単価が高いのが一般的です。また、繁忙期に必ず委託できるかどうかは確実ではありません。

 人材を確保するタイミング、雇用・業務委託の選択に悩む経営者が多いですが、起業したばかりの時期は、従業員の雇用は、慎重に決断したほうがいいでしょう。売り上げがあっても、継続して人件費を負担できるかどうか、見通しが立たない場合も多いからです。そのような場合は、雇用ではなく業務委託という形で人材を確保することをお勧めしています。

 この女性の場合は、営業力のある知人を通じて、1日単位で販売の仕事を依頼することにしました。知人に頼む場合も、業務委託契約書を取り交わし、依頼内容を明確にしました。

 自社主催のイベントや他社主催の展示会などに積極的に参加して商品をPR。毎回同じ人たちに、販売業務を委託できたため、営業方法や商品の知識も蓄積され、イベントを成功に導けたそうです。

 毎月一定の売り上げが見込めるようになったら、人を雇用する計画です。

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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