更新日:2015.05.13
今回ご紹介する起業家は、前職で出版社の編集長をしていた男性です。誰でも気軽に出版できる環境を作りたいと出版業で起業しました。販路開拓の方法についてご紹介します。
まず、1つ目は「顧客にサービスの有効性を伝えること」です。男性は出版業の中でも、出版費用を顧客が払って書籍出版するサービス(自費出版)を始めたいと思っていました。その場合は、自費出版することにより得られるメリットを、顧客に十分に伝える必要があります。
メリットとしては、著者(顧客)が執筆した内容の専門家として認知されたり、社会的な信頼性が向上したりする可能性があります。また、メディアなどの取材や講演依頼につながる可能性もあります。事業を営んでいる顧客なら出版費用を広告費として捉え、本業の売り上げ増加に役立つといった有効性を伝えましょう。
2つ目のアドバイスは「顧客がサービスを利用しやすいようにすること」です。自費出版のサービスに関心を持ってもらった後は、顧客が注文しやすい環境をつくることが重要です。例えば、自分で書くことに自信がない場合は、「取材・執筆・編集・出版」をセットにして販売します。また、費用がいくらかかるか分からないと依頼しづらいので、最初からチラシなどに価格を明記しましょう。また、支払い方法を一括払いだけでなく分割払いも可能にするなど、顧客の立場でサービスを依頼するまでの流れを反芻(はんすう)し、改善しましょう。
3つ目は「セミナーの開催」です。セミナーを開催すれば、自社のサービスを紹介したり、出版の流れについて説明したりできます。また、実際に書籍を出版した顧客に、書籍の活用事例を話してもらい、出版後のイメージを持ってもらうことも有効でしょう。
男性の場合は、書籍に加え、電子書籍をセットにして低価格で販売することにしました。また、「書籍を活用した自社PR法」のセミナーを企画し、その一環として自社のサービスも説明しました。セミナーを開催する度に受講者の中から出版の依頼があるなど好評です。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
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『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
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『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
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調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
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