更新日:2015.05.27
商社勤務の男性が、定年退職を機に、知識や経験を生かして1人で仲介ビジネスを立ち上げました。
仲介ビジネスとは、買い主と売り主の間に立って交渉し、取引の成立時に手数料として、主に売り主側から売り上げの数%を報酬として得るビジネスです。男性のように1人で起業する人に人気があります。設備や在庫を保有する必要がなく、資金的に負担が少ないためです。
また、仲介した取引が継続している間は、定期収入が得られることが多く、比較的安定していることも魅力の一つです。仲介ビジネスを行う場合の注意点についてお話しします。
仲介ビジネスで一番多い悩みは、仲介者を通り越して、売り主と買い主が直接取引する可能性です。これを「中抜き」といいます。どのように防止すればよいのでしょうか。
まずは、仲介者の存在価値を売り主、買い主の双方に理解してもらうため、仲介が入ることのメリットを伝える必要があります。
例えば、輸出入を伴う取引では、船に間違いなく製品が積み込まれたことなどを証明する船積書類の作成や通関手続きなど手間が掛かることが多いです。依頼者に、そうした手続きがスムーズに代行できることをアピールします。
あるいは、商社での経験を基に、輸出入における注意点を伝えたり、海外の売り主に日本向けの製品として受け入れられるための改良点などを指摘し、取引が成立しやすくなるようアドバイスするのもいいでしょう。
取引の成立時に、必ず手数料を受け取れるように、また、中抜きを避けるため、事前に詳細な契約書を作成することも大切です。仲介による付加価値を理解してもらった上で、日頃の付き合いから信頼を醸成できれば、その後も取引が継続される可能性が高まります。
男性の場合、売り主が不慣れな船積書類の作成を代行し、通関時に起きやすいトラブルの回避策などをアドバイスしました。その結果、取引は安定的に継続され、仲介者がいるから取引が続けられると、売り主、買い主の双方から信頼を得ています。
行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。 シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。 |
『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
|
|
『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
|
『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)
|
調査期間:2023年1月13日~2023年1月16日
調査元:JAPAN TRUST RESEARCH
対象:20代~60代の女性・男性(n=105)
インターネット・アンケート調査