夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】いざ事業スタートも…事前にぶつかる壁

更新日:2018.08.30

「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018」で、「NPO向けICTを活用した広報セミナーの開催」で優秀賞を受賞した海老名要一さん(65)に、その後の事業の進捗についてお話を聞いた。すると、壁にぶつかり苦戦しているという。

 「1つめの理由は、事業スタートに向けて完成度を求めすぎている自分の性分です。銀座セカンドライフの片桐実央代表が、『商品やサービスの完成度を高めようとしすぎて、なかなか事業開始ができない人もいる』と指摘していましたが、まさにそのパターンですね」(海老名さん)

 海老名さんは、事業に使うサイト制作に必要なソフトウエアなどを買いそろえ、ウェブサイトに載せるコンテンツの基本仕様も決めたのだが、細部が気になってなかなか完成に至らない。そうしてウェブサイトの構築に手間取るうちに「常時SSL化」(ウェブサイトの安全性確保)などの課題に直面して、前に進まないとのことだ。1人で事業を進める場合は、時々相談できる相手がいないと行き詰まってしまうかもしれない、と海老名さんは言う。

 「2つめの理由は資金面です。そもそも、融資を受けて定年起業に向かうつもりではありませんでした。自己資金で小さくスタートする計画だったのです。毎月の収入計画を見定めて、リスクのない範囲で進めるつもりでした。ところが年金支給時期を勘違いしていまして、年金が入る時期が2カ月遅くなり、すぐに事業に注力できない状態なのです」

 定期収入である年金が安定的に支給されないと、小さなスタートもしづらいと海老名さんは頭をかく。

 「とはいえ、定年起業を断念したわけではありません。計画を見直し、今やれることからやろうと思います」

 当欄では引き続き、海老名さんの定年起業への挑戦をウオッチしていきたい。(取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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