夕刊フジ×銀座セカンドライフ 共同企画

【定年起業への挑戦 実践編】複数の選択肢を持つことが大事

更新日:2020.08.27

 白羽玲子(しらは・れいこ)さん(49)が出版社を退職・起業し、6年間手堅く経営してきた東京・台東区の珈琲焙煎所「焙煎処(ばいせんどころ)縁(えん)の木」。ここにも、コロナ禍は大きなダメージを与えた。やはり3月はまったく仕事にならなかったという。しかし、4月ごろからネット通販サイトを中心に、売り上げが徐々に回復してきたと話す。

 「SNSでつながっている知り合いが買ってくれたのが大きな助けになりました」(白羽さん)

 ステイホームを余儀なくされた知り合いたちが縁の木の通販サイトを利用してくれたという。確かに、1日家にいるとおいしいコーヒーが飲みたくなる。ここでもやはり白羽さんの人脈が助けになった。

 また白羽さんは、コーヒー豆の抽出カスや売り物にならない欠点豆を地域の福祉作業所の人に集めてもらい、四国のメーカーに送って、鶏のふんと混合させて臭いを抑えた肥料を製造するというクラウドファンディングを成功させた。この肥料の販売は地元蔵前のプロジェクトとなる。

 肥料は縁の木が販売していくので、むろんビジネスなのだが、学校でこの肥料を使ってもらえれば子供たちへの環境学習になると白羽さんは続ける。ご自身の障害を持つ息子さんの将来の仕事として珈琲焙煎所で起業したこともあり、白羽さんの関わる活動には「地域のため」「子供たちのため」「環境のため」にという複数の目的が自然に融合しているように見える。

 「いろいろな選択肢を持つということが大事だと思うのです」

 コロナ禍は災難ではあるがこれまでの生活を見直すきっかけにもなった。

 「うちくらいの小規模であれば、これはある意味チャンスなんです」 (取材・構成 藤木俊明)

銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央 プロフィール

片桐実央

行政書士、1級FP技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社 法務・コンプライアンス部門法務部に入社し、法律の専門家としてアドバイス。その後、大和証券SMBC株式会社引受審査部に入社し、IPO支援を経験した後、祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活を実現するための支援がしたいと思い、2008年7月銀座セカンドライフ株式会社を設立、銀座総合行政書士事務所を開業し現在に至る。

シニア起業の支援会社として、①起業コンサル・事務サポート(起業相談サロン)、②レンタルオフィス運営(アントレサロン)、③セミナー交流会(アントレセミナー交流会)を開催している。年間の講演は100回を超え、毎月150件の起業相談を受け、これまで7,000件を超える。

著書一覧

初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック『初心者のためのセカンドライフ起業スクールハンドブック』(神奈川県生涯現役促進協議会)
かながわシニア起業ハンドブック『かながわシニア起業ハンドブック』(神奈川県)
あおもりシニア起業ハンドブック『あおもりシニア起業ハンドブック』(青森県)

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