バーチャルオフィスというのは、仮想の空間をオフィスと見立てることによって、郵便物の受け取りや法人登記、電話番号の利用といったオフィスの一部の機能が利用できるサービスです。以下では、このバーチャルオフィスのメリットやデメリットについて見ていくことにします。
1.バーチャルオフィスのサービスは？
バーチャルオフィスのサービスの内容は多岐にわたりますが、中でも使い勝手の良いのが事業を営むうえで使用する住所や法人登記を行うための住所として利用できるという点です。バーチャルオフィスを利用すれば、自宅の住所を他人に知らせずに済むので、プライバシーを守りたいという方にはおすすめのサービスだと言えるでしょう。
それに加えて、郵便受取や郵便転送といったサービスも利用可能です。郵便物などの宛先にバーチャルオフィスの住所を指定しておけば、送られてきたものを保管したり、指定した場所に転送してもらったりすることが可能です。また、ビジネス用の電話番号を用意してもらえるサービスも用意されているので、それを利用すれば、わざわざ自分で番号を取得せずに済みます。
2.バーチャルオフィスのメリットは？
バーチャルオフィスには様々なメリットがあるのですが、その中でも特に大きいのはオフィスのコストを抑えられるという点です。実際にオフィスを借りずに済むため、家賃や光熱費などの固定費を大幅に節約できるのです。オフィスの設備や備品を用意する必要もないので、これによって節約できた資金を他の事業に投資することが可能になります。
また、それ以外に、信頼性やブランディングにつながるという点もあります。理由はバーチャルオフィスは、有名企業が集まる一等地や高級ビルの住所を借りることができ、Webサイトや名刺などにその住所を記載することによって、顧客や取引先に対して自社の信頼性やイメージを高める効果が得られるのです。
3.バーチャルオフィスのデメリットは？
バーチャルオフィスにはデメリットも存在するという点に注意しておかなければなりません。
例えば、一つの住所を他の会社と共同で使用するケースがあるのですが、同じ住所に同じ商号や類似の商号の会社が存在すると、顧客や取引先が混同したり、信頼性が低下したりするおそれがあります。規模が大きくなり認知度が高まった段階で専用のオフィスに移転するのもよいでしょう。
また、許認可が必要な事業をする場合には、必要な要件を満たしていないと判断されるケースがあります。回避策としては、許認可の申請先に必要な要件を満たしているかどうかを事前に確認することで起業後に慌てて移転するということが避けられます。
4.こんな方におすすめ！
バーチャルオフィスは、リアルなオフィスに比べると、利用料金が安く済みます。また、水道光熱費や家具などの経費もかからないので、コストを抑えて起業しようと考えている方には特におすすめのサービスであると言えます。オフィスにかける資金を節約して、その分を他に回せるようになるので、起業に成功する確率を高められるのです。
いきなり高い家賃を払ってオフィスを借りてしまうと、後々になって資金繰りが厳しくなった時に立ち行かなかなくなってしまう恐れがあります。いずれはリアルなオフィスを構えたいと考えている場合であっても、まずはバーチャルオフィスを使って起業し、ビジネスを軌道に乗せることを優先するというのがおすすめです。
また、ネット販売などで住所を利用したい人にとっても、バーチャルオフィスは適したサービスです。インターネットで商品を販売する場合には、住所の記載が求められるケースが少なくありません。実際に記載している住所に販売した商品が返品されてくる場合もあり得るので、そのような商品を取り置いておいてくれたり、所定の住所に転送してくれたりするバーチャルオフィスはネット販売をするうえでは非常に使い勝手のよいサービスです。
都心の一等地にオフィスを構えられるので、顧客に信頼して商品を購入してもらえるようになるという点もネット販売を行う人にとってはうれしいポイントです。
5.まとめ
以上、見てきたように「バーチャルオフィス」はコストを抑えてオフィス用の住所を取得できる便利なサービスです。オプションサービスやオフィスのコンセプトによって実に様々ですので、利用するにあたっては、ビジネスの内容や予算を踏まえてに合うものを選ぶようにしてください。
また、ホームページの情報だけではわからない方は、契約後に想像していたイメージと違ったということにならないよう内覧を申し込んで実際のオフィス環境を確認することをおすすめします。
