個人で事業を営んだり、コストを抑えて起業したりするために、シェアオフィスを利用する人が増えています。もっとも、一言でシェアオフィスといっても様々なタイプがあるため、目的やニーズに応じて使い分けるようにしなければなりません。以下では、そのうちの一つであるコワーキングスペースについて、その概要やメリットを見ていきますのでぜひ参考にしてください。
1.コワーキングスペースとは？
コワーキングスペースというのは、シェアオフィスの一種で、年齢や性別といった属性に関係なく、様々な職業や仕事を有するユーザーが同じところでデスクやチェア、ネットワーク設備といったオフィス設備を共有しながら、仕事ができるようになっている場所のことです。
元々は2006年にアメリカのサンフランシスコに設置されたシチズン・スペースという施設が起源であると言われており、シリコンバレーに勤務していたエンジニアたちの間で急速に広まったと言われています。その後、2010年頃から日本でも見かけるようになり、働き方が多様化するとともに注目を浴びるようになったのです。
2.コワーキングスペースのサービス内容とは？
コワーキングスペースのサービスの内容は、単に仕事をするための場所の提供だけではありません。施設によって提供されるサービスは異なるものの、一般的にはオフィスが設けられている場所の住所を自らのビジネスの用途に使ったり、その住所を用いて法人登記を行うといったことが認められています。
それ以外に、あらかじめ契約しておけば、その住所あてに届いた郵便物や荷物などを取り置いてもらえたり、指定しておいた住所に転送してもらったりすることも可能です。自宅の住所を公開せずにビジネスを行えるようになるため、プライバシーを知られたくないという方にとっては非常に使い勝手の良いサービスであると言えるでしょう。
コワーキングスペースによっては、ビジネス用の電話番号を提供してもらえるところもあるほか、定期的にユーザーが参加できるセミナーや交流会を開催していたりもするので、そういった機会を活用すればネットワークを広げることも可能です。
3.コワーキングスペースのメリットは？
コワーキングスペースには様々なメリットがありますが、その中でも大きいのが低コストで仕事をするための場所を借りられるという点です。物理的にオフィスを借りようとすると賃料に加えて、光熱費やオフィス設備費といった様々なコストを負担しなければなりません。そういったコストはビジネスを軌道に乗せる上で大きな障害となり得ますので、極力抑えるに越したことはないのです。この点、コワーキングスペースであればリーズナブルな料金で利用できるケースがほとんどですので、仕事場所にかけるコストを抑えておきたい個人事業主やこれから起業しようという方にとっては非常に便利なサービスであると言えます。
また、コワーキングスペースを借りれば、そこに取引先などを呼んで商談を行えます。例えば、一等地にあるコワーキングスペースを利用すれば、自らの信用力アップを図ることもできるでしょう。
そして、同じ場所で仕事をしている他のユーザーと気軽に交流できるというのもメリットの一つです。交流を通じてビジネスを拡大できるケースもあるので、なかなかネットワークを広げられないと悩んでいるという方は、ぜひ一度利用してみるとよいでしょう。
加えて、デスクやWi-Fi、会議室、ロッカーといった仕事をする上で必要になるインフラが一通りそろっており、契約すればすぐにそこで仕事を始められるというのもコワーキングスペースのメリットとして見逃せません。これらを一から準備しようとすると、時間も資金も必要になるわけですが、コワーキングスペースを利用すればそういった手間暇をかける必要がなくなるのです。
また、施設によっては、ドロップインでの利用が可能なところもあるので、普段はリモートで仕事をしつつ、必要な時だけ借りるといった使い方もできます。
4.まとめ
以上で見てきたように、コワーキングスペースは、他のユーザーと交流しながら仕事ができる使い勝手の良いサービスです。
オフィスにかけるコストを抑えるためにも非常に有用ですので、個人で事業を営んでいる方やこれから起業しようという方は、ここで紹介したような様々なメリットを頭に入れた上で、ぜひ積極的に活用してみるとよいでしょう。
