1960年代から続く年功序列型の雇用体系の維持が難しくなってきたことから、副業などで少しずつ個人ビジネスを始める人や今までの経験から起業して独立する人が年々増えています。
今回は年代を問わず起業したいが資金調達面で懸念がある人、起業時の情報収集の一環として他と差をつけたい人向けに、起業時に利用できる「創業補助金・助成金」一覧のご紹介です。
1.東京都創業助成事業
東京都創業助成事業とは創業予定者または創業から間もない中小企業者等に対して、創業期に必要な経費の一部を助成し、東京都における創業のモデルケースの発掘や事例の発信等により、創業時に挑戦する機運を醸成していくことが目的の助成金です。
対象者 |
申請に当たっては、次の要件をすべて満たす必要があります。 (1)「創業者等」に該当すること
(2) 創業支援事業の利用状況があること 等 |
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対象事業 |
本事業の目的に合致する事業計画を都内で実施するもの |
助成限度額 |
300万円(助成下限額 100万円)助成率は対象経費の 3分の2以内 |
助成対象経費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費、従業員人件費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費 |
ポイント
1次審査は書類審査ですが、2次審査は面接試験となっています。そのため、プレゼンテーション試験の練習もお忘れなく。
2.小規模事業者持続化補助金
持続化補助金は、小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を支援する制度で、対象者の範囲も広いためたいへん人気のある補助金です。この制度は、商工会、商工会議所のサポートを受けながら経営計画書、補助事業計画書を作成し、審査を経て採択が決定された後、所定の補助を受けます。
現在、一般型と低感染リスク型ビジネス枠の2種類があります。
一般型
対象事業 |
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対象事業者 | 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業外) | 常時使用する従業員の数5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数20人以下 | |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数20人以下 | |
対象経費 | 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、設備処分費、委託費、外注費 | |
補助上限額 | 50万円 | |
補助率 | 補助対象経費の3分の2以内 | |
お問合せ先 | https://r1.jizokukahojokin.info/ |
低感染リスク型ビジネス枠
小規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組を支援する補助金です。
対象事業 | 補助対象となる事業は、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に取り組み、感染拡大防止と事業継続を両立させるための対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行う事業。 |
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対象経費 | 機械装置等費、広報費、展示会等出展費(オンラインによる展示会等に限る)、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、設備処分費、委託費、外注費、感染防止対策費 |
補助率 | 3/4 |
補助上限額 | 100万円 |
お問合せ先 | https://www.jizokuka-post-corona.jp/ |
3.IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものです。
IT導入補助金は、通常枠と低感染リスクビジネス枠に分類されます。
通常枠
対象事業 | 中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象) |
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対象経費 | 会計処理、ソフトウェア導入、POSマーケティング、簡易決済システム、クラウドサービス費用 |
補助上限額 |
A類型:30万~150万円 B類型:150万円~450万円 |
補助率 | 1/2 |
ポイント①
通常枠は、ソフトウェア費・導入関連費に限られており、PCなどの「ハードウェアレンタル費も補助対象」は含まれません。
ポイント②
A類型とB類型では、ITツール導入で生産性が高まる業務プロセスの数や賃上げ要件など、申請条件にいくつかの違いがあります。
低感染リスクビジネス枠
分類 | C類型-1 | C類型-2 | D類型 |
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複数のプロセス間で情報連携し複数プロセスの非対面化や業務の更なる効率化を可能とするもの | テレワーク環境の整備に資するクラウド環境に対応し、複数プロセスの非対面化を可能とするもの | |
補助上限枠 | 30万~300万円 | 300万~450万円 | 30万~150万円 |
補助率 | 2/3 |
ポイント①
感染リスクに繋がる業務上での対人接触の機会を低減するような業務形態の非対面化に取り組む中⼩企業に対しては、「通常枠」よりも補助率を2/3に引き上げて優先的に支援されます。
ポイント②
D類型についてはクラウド対応されていることが条件になります。
お問合せ先:https://www.it-hojo.jp/
4.創業支援事業計画による登録免許税半額
創業支援事業計画とは、地域の創業促進のために、地方自治体が民間の創業支援者と連携して創業支援等事業計画を定めています。平成26年1月20日に施行された産業競争力強化法により、その創業支援等事業計画を国が認定しています。
主に、創業を目指している方、創業後5年未満の方が対象となります。
メリットの中でも注目されているのは株式会社や合同会社を設立する際の登録免許税が減免される点です!
例)登録免許税が半額
株式会社:15万円 → 7.5万円 合同会社:6万円 → 3万円
その他にも以下のようなメリットがあります。
- 日本政策金融公庫での融資条件の緩和
- 都道府県の制度融資の条件緩和
- 国や都道府県の補助金・助成金に使用可能
利用を検討する方は、各市区町村、創業支援者によってセミナー形式、個別面談形式、証明書発行までの期間が異なるため、事前にスケジュールを確認しましょう!
いかがでしたでしょうか。起業時の資金調達について融資、クラウドファンディング以外の選択肢として「補助金・助成金」の活用もご検討ください。なお補助金・助成金は経費をかけた後に支給される後払いとなっていますので、申請時には手元に資金を持った状態で円滑に事業を進めていくことをお勧めします。