仕事をする上で欠かせないインターネットサービス。たくさんの種類があり専門用語も多いので、どの回線を選べばいいのか悩みますよね。今回はそんな初心者の方でもわかるインターネット回線の選び方についてわかりやすくまとめました。おすすめの業者もまとめているので、お悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
1)はじめに:なぜ法人向けインターネットは「選び方」が重要なのか
企業が業務で使用するインターネット回線は、単なる“通信手段”ではなく、ビジネスを支える重要なインフラです。
たとえば、次のような状況を想像してみてください。
- 朝9時、社員が一斉にPCを立ち上げた途端、ネットが重くなってオンライン会議に参加できない
- 社内のシステムがクラウド上にあるのに、通信が不安定で仕事が進まない
- お客様からの問い合わせに対応中、回線が落ちて連絡が取れなくなった
こうしたトラブルの多くは、「適切な回線を選べていない」ことに原因があります。
2)法人回線と個人回線の違いって?
インターネットといえば「光回線」や「Wi-Fiルーター」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、法人向けのインターネット回線は個人向けとは設計思想が異なります。
| 比較項目 | 個人向け |
法人向け |
| 回線の安定性 | 混雑する時間帯は遅くなる |
通信帯域が保証されている場合もある |
| サポート体制 | 平日昼間が中心 |
24時間365日対応がある |
| セキュリティ | 基本はユーザー任せ |
ウイルス対策や不正アクセス対策が標準装備の場合あり |
| 料金 | 安価で導入しやすい |
高品質だがやや高額 |
つまり、法人には法人の「選び方」が必要なのです。
このガイドでは、はじめて法人用のインターネット回線を検討する方でも理解しやすいように、基本的な種類から選定のコツ、よくある失敗例、比較ポイントまで丁寧に解説していきます。
あなたの会社にぴったりな回線選びの参考になれば幸いです。
3)法人向けインターネット回線の主な種類と特徴
法人で利用するインターネット回線にはいくつかの種類があり、それぞれに「特徴」や「向いている使い方」があります。
ここでは、特に利用頻度が高い4つのタイプを紹介します。
3-1)ベストエフォート型 光回線(例:フレッツ光、NURO Biz など)
特徴
- 利用者全体で帯域を共有するため、通信速度に変動がある
- コストが比較的安く、中小企業や小規模オフィスに人気
- 全国ほぼどこでも利用可能
向いているケース
- 社員数10〜20人程度のオフィス
- メール、ウェブ閲覧、会計ソフトなど日常業務が中心
- コストを重視したい企業
注意点
- 混雑する時間帯(9時、12時、18時など)に遅くなることがある
- 業務で大容量データを扱う場合には不向き
3-2)専用線(帯域保証型インターネット)
特徴
- 自社専用の通信回線を引くため、速度・安定性が非常に高い
- 帯域(通信量)が保証されており、常に安定した通信が可能
- 料金は高めだが、その分高品質
向いているケース
- 金融業、医療機関、クラウドベースの業務が中心の企業
- ネットワークの停止が業務に直結する業種
- セキュリティや可用性を最優先に考える企業
注意点
- 初期導入費用と月額費用が高い
- 工事に時間がかかることもある
3-3)モバイル回線(LTE・5Gなど)
特徴
- 工事不要で導入が早く、ポータブルルーターやSIMで利用可能
- 場所に縛られず使えるため、リモートワークや仮設オフィスに最適
- 通信速度はエリアや混雑状況に左右される
向いているケース
- 工事が難しい場所(建設現場・イベント会場など)
- 一時的な拠点、地方拠点での使用
- 移動の多い社員への支給用インターネット
注意点
- データ通信量に上限がある場合が多く、使いすぎると制限がかかる
- セキュリティ面ではVPNなどとの併用がおすすめ
3-4)SD-WAN(Software Defined WAN)
特徴
- 既存のインターネット回線を組み合わせて、効率的に運用できるネットワーク構成
- クラウドサービスとの親和性が高く、多拠点管理がしやすい
- 通信状況に応じて、最適な経路を自動で選択する高度な仕組み
向いているケース
- 全国に複数の拠点を持つ企業
- クラウドサービス(Microsoft 365、Google Workspaceなど)を日常的に活用している企業
- ネットワーク運用の効率化・セキュリティ強化をしたい中堅〜大企業
注意点
- 専門的な知識が必要な場合があり、導入・運用はベンダー選定が重要
- 初期費用・機器構成にバラつきがあるため比較検討が不可欠
まとめ表![]()
| 種類 | 安定性 | 費用 | 導入速度 | 対象規模 |
| ベストエフォート光 | △ | ◎ | 〇 | 小規模〜中小 |
| 専用線 | ◎ | △ | △ | 中規模〜大企業 |
| モバイル回線 | △ | 〇 | ◎ | 小規模・仮設 |
| SD-WAN | ◎ | △ | △ | 中堅〜大企業 |
4)おすすめインターネット業者の紹介
ここでは、スタートアップ企業向けのおすすめのインターネット回線業者を紹介します。インターネット回線を引く際に参考にしてみましょう。
4-1)株式会社NNコミュニケーションズ
法人向け「フレッツ光(NTT東日本)」は、企業のインターネット接続に特化したサービスで、安定した通信速度と充実したサポート体制を提供します。特に、業務時間外のトラブル対応やセキュリティ対策に強みがあります。法人向けプランでは、24時間365日の出張修理対応が可能です。「スタンダードプラン」では、深夜帯も含めた対応が可能で、業務時間外のトラブルにも迅速に対応可能なのでもしもの時も安心です。また、さまざまなオプションのご用意もあるため、必要なものを組み合わせることもできます。
4-2)DTI光
法人向けの「DTI光」は、個人向けの「DTI光」と同様に、NTTの光回線を利用したインターネット接続サービスです。個人事業主や任意団体でも契約可能で、全国どこでも利用できます。法人向けの特典やサポート体制が整っており、コストパフォーマンスに優れたサービスを提供しています。法人向けの特典として最大24,000円のキャッシュバックや無料のWi-Fiルーターの提供があります。また、法人専用のサポート窓口があるので困ったときも安心です。
4-3)ビッグローブ光
法人向け「ビッグローブ光」は、NTTの光回線を利用した光コラボレーションサービスで、BIGLOBEが提供する法人向けインターネット接続サービスです。個人事業主や任意団体でも契約可能で、全国どこでも利用できます。
法人向けのサービスとして1年間の月額料金合計最大28,800円の値引きになる特典や申込手数料無料、IPv6対応無線LANルーターの無料提供などがあります。導入の際も法人専用のサポート窓口があり、導入から運用まで専門スタッフが対応してくれるので安心です。
まとめ:法人インターネット回線選定のポイント
法人向けインターネット回線を選ぶ際には、価格や速度だけでなく、業務内容や将来的な拡張性も考慮することが非常に重要です。以下の5つのポイントを意識することで、適切な回線選定が可能になります。
- 利用人数:社員数や接続端末数に合わせた帯域を選ぶ
- 利用用途:業務内容に応じて最適な回線を選ぶ(Web会議やクラウド利用が多い場合は安定性重視)
- 信頼性:回線停止リスクを避けるための仕組みやバックアップ回線の有無を確認
- サポート体制:万が一のトラブル時に迅速に対応してくれるサポートがあるかをチェック
- 費用バランス:初期費用や月額費用だけでなく、将来の拡張性も含めたトータルコストを考慮
これらのポイントをしっかりと押さえることで、自社にとって最適なインターネット回線を選ぶことができます。最終的には、自社の業務スタイルや将来のニーズに合った回線を選ぶことが、ビジネスの安定と成長に繋がります。











