署名とは?契約書での記名との違いを解説

起業や経営ビジネスに関心がある方へ お得な情報をピックアップ!

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

契約締結や支払いなどの際、あるいは、伝票や領収書などを受領する際に、署名を求められるケースが少なくありません。また、ビジネスでメールを送信する際には、署名を添付することがマナーとなっています。円滑にビジネスを進めていくためにも、署名についてきちんと理解しておきましょう。
本記事では、署名の果たす役割、サインや押印との違い、契約書での署名の扱い方や書き方などを解説します。

1.署名とは

署名(しょめい)とは、本人が「氏名」を書類などへ本人が書き記す行為のことです。
本人以外の第三者が書いたもの、印刷されたもの、ゴム印で押されたものなどは、署名として認められません。
似たような言葉に自署(じしょ)がありますが、署名は、「自分の氏名を書く」のがポイントで、自署は、氏名に限らず「本人が書く」というのがポイントです。

自筆で書き記した文字は、筆跡鑑定を行うことによって、本人が書いたことを証明できる場合があります。そのため、書類に署名が記されていると、本人の同意があったという証拠となり、信頼度が高まりやすくなります。ビジネスシーンでは、売買契約や請負契約などの契約書を取り交わす際は、同時に署名も行うのが一般的です。契約書に署名を記しておくことによって、法的な効力を与える役割も担っているのです。

2.サインや押印との違いは?

署名とサインの違い

署名と似たような言葉としては、サインがあります。両者の違いについて説明します。署名の英語表記は、「sign」や「signature」です。つまり、署名とサインは、同じ意味です。サインも署名と同じように、必ず自筆で氏名を記します。サインという言葉が使われるシーンとしては、クレジットカードでの決済時、ホテルや旅館などの宿泊施設へのチェックイン時、意見に賛同する人の同意を集める署名活動などが挙げられます。サインは日常生活で頻繁に使われている言葉のため、署名よりもライトな印象を持つ人もいるかもしれません。サインも署名と同様に法的な拘束力を持ちますので、必ず内容を確認してから自分の名前を書くように注意しましょう。

署名と押印と捺印の違い

押印も、ビジネスシーンでよく行われている行為です。稟議書や決裁書などの書類に対して決裁者が承認印を押す際に、押印という言葉が使われています。押印は、記名押印(きめいおういん)の省略形です。「記名」は、印刷、ゴム印、第三者による記入などで記された氏名のことを指しています。
つまり、記名押印は、自筆以外の方法で氏名が記された書面に対して、印鑑を押す行為を意味しているのです。署名は自筆で記しますが、押印は自筆以外の方法で氏名を記して、さらに印鑑が必要という違いがあります。
押印と似たような言葉としては捺印があります。「捺印」は、署名捺印(しょめいなついん)の省略形です。自筆による署名を書き記したうえで、印鑑を押すことを指しています。ビジネスシーンでは、これらの言葉を間違えないように気をつけましょう。

3.契約書における署名の扱い方

ビジネスシーンでは、契約時に契約書を取り交わすのが一般的です。口約束のみであっても、原則として契約が成立しますが、言葉だけで約束を交わした場合は証拠が残りません。トラブルを防ぐために、その契約内容を記した契約書を作成しておき、書面として残しておく必要があるのです。
作成した契約書には法的効力を持たせるために署名も記しておきます。署名があれば、本人が同意したという証明にもなります。

4.契約書への署名の書き方と注意点

契約書へ署名する際には、自分の氏名を記入します。そのほかに、会社名、役職名、住所なども記入しておきましょう。起業した個人事業主は、自宅の住所と事業所が別々のケースもあるかもしれません。その場合には、契約書には事業所のある住所を記入しておきます。
契約書には、署名欄が設けられていますので、フォーマットに従って間違えのないように記入してください。契約書に署名する際の筆記用具は、ボールペンや万年筆などを用います。インクの色は、黒色を選んでください。鉛筆やシャープペンシルなどの筆記用具は消しゴムで消せるため、改ざんのリスクがあります。ビジネスシーンにはふさわしくない筆記用具ですので、署名の際には使用しないように気をつけましょう。

まとめ

今回ご紹介したように署名は法的な拘束力が発生します。押印は記名押印の省略形であり、自筆以外の方法で氏名が記された書面へ印鑑を押す行為のことです。
ビジネスシーンでは、トラブル防止のために契約時に書面で契約書を取り交わします。その際には、法的な効力を与えるために署名が求められますので、氏名、会社名、役職名、住所を自筆で記入しておきましょう。

Published by アントレサロン