これから起業を考えている方に、よく「こんなアイデアを考えたのだけど、儲かりますか?」という質問をされることがあります。
ですが、これでは回答のしようがありません。
なぜなら、アイデアだけでは「誰が、誰に対し、どのように提供」するかが分からない上、
どのくらいの売上を上げたら事業が継続できるかも分からないからです。
目次
そもそもビジネスモデルとは?
ビジネスモデルとは、「ビジネスとしてお金を儲け、継続していくための仕組み」です。
その為、ビジネスプランをしっかり立てるためにもビジネスモデルを考えることが重要になってきます。
ビジネスモデルを考える
ビジネスモデルを考えるとき、以下の5つの要素をまとめましょう。
1.市場環境を分析する
直接ビジネスモデルとは関連しませんが、そもそも自身が考えるアイデアが、実現できるかどうかを押さえておく必要があるため、市場の環境や周囲の競合状況など、しっかり分析しておくことが大切です。特に独立・起業を検討する場合、会社に勤めているのと違う環境の中で、ビジネスとして成り立つかを考える必要があるため、重要です。
2.ターゲットを選定する
「顧客は誰か」ということを考えます。
1.市場環境を分析するでもお話した通り、会社勤めをしている時と、独立・起業をするときでは環境が異なります。お勧めは、「理想の顧客像」を考えることです。自分の身の回りで、「こんな人に売りたい」という人物像を具体的に想定しましょう。
具体的とは、その方の年齢や性別だけでなく、仕事内容、趣味、家族構成まで考えるということです。そうすることで、その顧客が商品に求める価値や、潜在的なニーズを持った顧客に対し、どのようにアプローチしたら有効かを考えやすくなります。
3.商品・サービスを考える
「顧客がなぜお金を払うのか」ということを考え、商品・サービスの内容を考えましょう。
具体的な顧客像を考えたら、自身が提供する商品・サービスに対し、どんな価値を見出し、購入するのかを考えます。
ここでお勧めするのは、既にある商品・サービスでビジネスを始める事です。
世の中にない商品・サービスを提供するためには、まず「顧客に認知してもらう」ことが必要となります。認知してもらうためには労力やお金がかかります。既存のサービスであれば、認知してもらうことはそれほど必要ありません。
ただし、そうなると、自身が提供する商品・サービスを選んでもらうことが重要になるので、自身の強みを活かした商品・サービスを考え、競合他社と差別化を図りましょう。
4.顧客への提供プロセスを考える
「どのように商品・サービスを顧客に届けるか」という提供プロセスを考えます。
顧客の開拓や宣伝方法などのアプローチの仕方、提供する時の方法を考えます。ここでのポイントは、提供する際、顧客に付加価値を感じてもらい、リピーターになってもらえるようなプロセスを考えることです。
大手企業ならともかく、独立・起業をする方は、小さな規模から始める方が多いので、単なる価格競争にならないよう、気を付けましょう。
5.収益構造を考える
「どこで儲けるか」という収益の構造を考えましょう。どんなに良い商品・サービスを提供しても、利益が無ければ続けていくことは出来ません。
顧客にとって価格は購入する際の決め手になりますが、きちんと利益がでるような価格の決め方と、どこで利益を上げるかをしっかり考えましょう。
ビジネスモデルのポイントを整理する
「誰が、誰に対し、どのように提供」するかを考えたところで、整理をするため、図にすることをお勧めします。大切なポイントは以下の通りです。
- ビジネスの主要な関係者が分かる
- 関係者同士が何をやり取りするか、つながりが分かる
- 上記によりビジネスの全体像が分かる
では上記3つのポイントに従って図にしていきましょう。
1.ビジネスの主要な関係者を書きだす
ビジネスを提供する事業者、顧客、そのビジネスを実現するために必要な関係者など、全て洗い出します。
そうするとかなりの関係者が挙がってくると思います。
次に、特に重要という関係者のみをピックアップします。図で整理する場合、関係者が多すぎると複雑になり、かえって分かりづらくなってしまうことがあります。その為、そのビジネスに必要不可欠で重要な関係者のみをピックアップすることで、整理しやすくするのです。
2.関係者同士が何をやり取りするか、関係性を書く
次に、ピックアップした関係者の「関係性」を書きだします。具体的に言うと、「モノ」の流れ(物流)と「お金」の流れ(商流)を矢印で繋げます。分かりやすくするため、色分けするのが一般的です。
3.ビジネスの全体像を分かりやすくするために
ここまででビジネスの全体像は分かりますが、更に分かりやすくするため、必要に応じて補足のコメントも添えると良いでしょう。
最後に
ビジネスモデルの考え方についてイメージしていただけたでしょうか。ビジネスモデルは考える本人は分かっても、人に見てもらうと分かりづらいというケースはよくあります。今回のコラムが、ビジネスモデルを考え整理をする際、少しでもお役に立てたら幸いです。