みなさんは「サービス業ってどんな仕事?」と聞かれた時、どの様に説明しますか?
飲食店やホテルなどの接客業と答える方もいれば、病院、職業紹介など、様々な職種や具体例が挙げられると思います。
仕事の幅が広く、なんとなくイメージしにくいですが、実はこれらは全てサービス業で間違いないのです。
そもそも「サービス業」とは何か?またその特徴は?
「サービス業」とは、販売した後にモノが残らず、効用や満足などの形のない財を提供することをいいます。
もう少し具体的にいうと、以下のような特徴があります。
- 売り買いした後にモノが残らず、生産と同時に消費されていく同時性があること。
- 生産と消費を切り離すことが不可能。
- 品質が一定ではない。
- 触ることができず、はっきりした形がないので、商品を購入する前に見たり試したりできない。
- 在庫にすることが不可能。
サービス業の分類
なんとなくイメージがついてきたと思いますが、それでも分かりにくいのがサービス業です。
では次に、日本標準産業分類に基づき、サービス業とは何なのか説明していきたいと思います。
日本の産業は、日本標準産業分類により、第一次産業から第三次産業までの3つに分類されます。その第三次産業活動指数から、個人向けサービス業と事業所向けサービス業といったように区分することができます。
個人向け
理容美容、旅行、娯楽、自動車整備など
事業所向け
法務、税務、リースなど
ここまで分類すると、「サービス業とは何か?」とういことを定義できそうな気がしてきます。
しかし、実のところ、分類できるのはここまでといっていいでしょう。
日本標準産業分類に基づいて説明すると、形のない財をサービスと呼ぶことから、形のある財を取引する卸売業・小売業を除いた第三次産業を指して、サービス業といっています。つまりは、サービス業を具体的に定義することは不可能ということなのです。
具体的な仕事でイメージする
具体的に定義することは出来ないとはいえ、サービス業には特徴があります。その為、今回のコラムのまとめとして、サービス業ならではという仕事を幾つかピックアップしたいと思います。
接客・販売
「接客」と「販売」の仕事は、厳密にいうと「目的」が異なります。
接客の目的は「おもてなし」をすることです。そして販売の目的は「売上」をあげることです。
目的は異なりますが、「接客」と「販売」は「顧客満足」つまりは、お客様に満足してもらうことが基本にある仕事です。
気持ちのいい接客をすることで売上に繋がり、リピーターになってもらえれば売上の安定にも繋がります。
専門サービス
いわゆる「士業」といわれる仕事です。弁護士や司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士など、国家資格が必要となります。
それぞれ専門性が高い仕事であるため、「資格があれば仕事がある」というイメージを持っている方も多いですが、実際は競争が激化しており、電話の受付や無料相談など、サービスで差別化をしないと生き残っていけなくなっているのが現状です。
ITエンジニア
ITエンジニアというのは、「情報技術」に関する技術者のことを総称しています。ネット社会である現在、様々な場面でパソコンやITの技術が使われている為、以下のように様々な種類があります。
- システムエンジニア(SE)
- プログラマー
- サーバー・ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- Webエンジニア
上記の仕事を行う上で、必要な資格はありませんが、技術の進歩に合わせ、高い専門性と豊富な知識、経験が求められるのが特徴です。
医療・福祉
日本では将来的に最も必要とされる仕事のひとつであると言えます。
超高齢化社会に突入した日本において、「平均寿命」が延びていることで、介護が必要な人口も増え、医師や看護師、介護士の不足が懸念されています。
そうした環境の中、健康上の問題がなく日常生活を送れる状態であるいわゆる「健康寿命」を延ばすためのスポーツ振興や食育の推進など、様々なサービスもあります。
公共サービス
実は警察官、消防士、役所の職員の仕事もサービス業に分類されます。ただし、公的な書類ではサービス業ではなく「公務員」として記載され、一般的なサービス業と区別されています。
最後に
いかがでしたでしょうか?「これがサービス業」ということは特定できなくても、今回のコラムを読んで、ご自身の事業がサービス業であるかどうかは分かるようになったのではないでしょうか。仕事をしていると様々な場面で業種について答えることがあるかと思いますので、少しでもお役に立てたら幸いです。