近年、独立起業を促す機運が見られ、その甲斐あってか日本における開業率が廃業率を上回ったというニュースが聞かれるようになっています。
一言に起業といっても分野や業種は様々。そのなかでも「コンサルティング業」は根強い人気があります。○○コンサルタントという肩書の方を見かけたことが一度や二度はあるのではないでしょうか。
このような○○コンサルタントという方が増えている理由の一つに、「すぐに手堅く始められること」が挙げられます。
1.資格は必要ない
そもそもコンサルタントになるために必要な資格というものはありません。
国家資格である中小企業診断士やMBA(経営学修士)を取得しなければならない、MBAといかないまでも学問として経営・経済を学んでいなければならないという事もありません。
ご自分の経験・ノウハウ、人脈をもとに他者へアドバイスが出来るのなら、コンサルタントとして活動可能です。
極端に言ってしまうと名刺の肩書やホームページなど、人目に触れるものに「コンサルタント」と記して自分から名乗ってしまえば、その日からコンサルタントになれます。
コンサルタントとして活動するにあたっては個人事業主でも法人でもどちらでも大丈夫です。
2.過去の経験、人脈が活かせる
コンサルタントに資格は必要ないとはいっても、知識・経験や人脈は必要になってきます。いままでの人生で、培ってきたものを活用して仕事を進めることになります。
起業してからは、どのようなサービスを提供するか、どうやって営業をし、依頼を受注するかが特に大切です。そのためにはサービスの構築と営業活動を行うことになりますが、
サービスの構築では知識・経験や人脈をもとに何が提供できるかを考えることが出来ます。
また営業活動では、これまでの人脈を基に営業をすれば、全くのゼロから営業を始めるケースよりも早く売り上げを立てられる可能性が高くなります。
また、知識・経験や人脈はそのままご自分の実力の証明にもつながります。相手からしてみれば実力の分かる方にお願いする方が安心するものです。
なお、この知識・経験や人脈は、なにも仕事において構築してきたものだけにとどまりません。趣味や日々の生活の中で培ってきたものも含まれます。例えば、ご家族の相続問題で苦労をされた方が、エンディングノートをとりいれた相続コンサルタントとして起業したというケースもあります。
3.初期投資がかからない
起業と言えば、「飲食店を始める」、「ECサイトを使って雑貨販売を始める」など、起業=「お店」「作業スペース」「在庫」を持つことだと考える方は多くいます。このようなケースでは、初めに物件を借りる費用、お店の内装工事の費用、在庫の仕入れ費用がまず必要になってきます。
この費用は数十万円~数百万円、凝ったものだと一千万円台の費用が必要になってきます。
しかし、コンサルタントで起業する場合には、上記のような費用はかかりません。強いて言えば必要なのはパソコンの購入費用程度です。
4.人件費がかからない(自分だけ)
社員・パート・アルバイトを雇うと人件費(給与)を支払わなければなりません。そのためには充分な売上を確保していることや、事前にある程度用意しておくことが必要です。
一方でコンサルタントとして一人で起業するケースでは、自分の人件費だけしかかかりません。
一人では抱えきれない仕事のオファーがきた時には、その都度で協力者に手伝ってもらうなり、業者へアウトソースすれば良いのです。このような方法なら毎月多額の人件費を払うことはありません。
また、自分一人だけならば仕入れもありませんし、事務所費用や水道光熱費も節約しやすくなります。そのため用意する費用も少額で済みます。
5.業務の幅を柔軟に設定できる
起業された方の話をお聞きしているなかで、仕事内容とその範囲をどこまでにするか、これを自分で設定できることがうれしいという声があります。
それまで会社勤めをされてきた方々は、業務の範囲が決まっていたため、それ以上のことをすることが難しく、やりきれない思いを抱えたり、苦手なことまでもやらなければならなかったりしたこともあるでしょう。だからこそ、起業後には責任は伴いますが、自分でやれる範囲を決められることが、うれしいということでした。
また、自分一人では受けきれないという内容だった時には、お断りするケースもあれば、パートナーとともに当たるケースもあります。その判断も自分で下すことができるようになります。
おわりに
これまでの知識・経験や人脈を活かしてコンサルタントになるケースでは、「資格面」「資金面」「営業面」等で有利と言えるでしょう。
中長期の顧問契約を獲得出来るようになれば、ストック型ビジネスとして利益を積み上げられるので、経営的にも安定します。
以上を踏まえて、ご自分でコンサルタントとして起業するイメージを膨らませてみると、「こんなのはどうだろう」、「あんなのはどうだろう」とアイデアが出てくるのではないでしょうか。