
今や、社会全体のデジタル化への対応、利便性向上を目的として、民間企業だけでなく、国や地方自治体などの公的機関の各種申請手続はオンライン上でできるような環境がほぼ整っています。身近なところでは「確定申告」も「国税電子申告(e-Tax)」が主流となり利用率も9割以上を達成したと言われています。また、地方税の申告から納税までの手続きがオンラインでできる「eLTAX」というシステムも急速に利用が広まっています。
これまで窓口に行って手続きしたり、紙を使ってやり取りしていたことも、オンライン環境が社会全体のスタンダードになりつつある現在、これらを上手に利用することが、会社経営が効率的になるのではないでしょうか。 ここでは、事業主の方の「社会保険料情報」の通知をオンライン上でいち早く受け取れる「オンライン事業所年金情報サービス」を紹介します。企業が従業員の年金に関する情報を一元的に管理し、必要な手続きをオンラインで行うためのプラットフォームです。
目次
1)オンライン事業所年金情報サービスとは?
毎月、厚生年金機構から届く「納税通知書」等の到着が遅いと感じたことはないでしょうか?また、届くまで正確な金額が確定せず、納付期限も短すぎて振込み対応が大変という声をよく聞きます。「オンライン事業所年金情報サービス」は、企業や事業所が従業員に関する年金に関する情報や通知書の電子データを「e-Gov」のオンライン上で管理・確認・更新できるサービスのことを指します。これにより企業は年金に関する情報や手続きを簡素化でき、従業員の年金情報をスピーディに確認でき、ペーパレス化も図れます。
2)オンラインで確認できる情報って何?
「オンライン事業所年金情報サービス」で確認できる電子データとして受け取れる「各種情報・通知書」の詳細は以下のとおりです。企業や従業員の年金に関する詳細な情報をオンラインで簡単に管理・確認できるため、効率的に経営できるメリットがあります。
1 |
社会保険料額情報 |
月末に納付いただく社会保険料の見込額を毎月お知らせするものです。20日前後に送付している納入告知書、保険料納入告知額・領収済額通知書が届く前に社会保険料額が確認できます。 |
2 |
保険料納入告知額・領収済額通知書 |
社会保険料を口座振替で納付いただいている事業主の方に、当月の口座振替額と前月の領収額をお知らせする通知書です。 |
3 |
保険料増減内訳書 |
資格取得届等の提出により、前月と当月の社会保険料額に増減が生じた場合、保険料の増減に該当する被保険者および増減となった理由を確認することができます。 |
4 |
基本保険料算出内訳書 |
9月分の保険料の基礎となる標準報酬月額ごとの被保険者数等を確認できます。毎年10月にのみ作成されます。 |
5 |
賞与保険料算出内訳書 |
被保険者ごとの賞与保険料を確認できます。賞与支払届の提出があった場合にのみ作成されます。 |
6 |
被保険者データ |
届書作成プログラムで簡単に届書を作成するための事業所と被保険者の情報です。 |
7 |
決定通知書 |
決定通知書とは、提出された届書に基づき日本年金機構で処理を行った結果を通知するものです。 |
3)利用するメリット
オンライン事業所年金情報サービスを利用するメリットは、企業と従業員の両方に多くの利点をもたらします。以下のポイントが主なメリットです。
3-1)紙の通知書よりも早く受け取り・確認が可能
納入告知書等の到着前に毎月の社会保険料額を確認できるなど、これまでよりも早く各種情報・通知書の受け取り・確認ができます。
3-2)定期的に受け取りが可能
一度申込みをいただければ、定期的に送られてきます。随時、電話等で依頼する必要はありません。
3-3)データの活用が可能
電子データで受け取れるため、社内システムで取り込み、自社で保有するデータとの突合等、業務の効率化を図ることができます。
4)「オンライン事業所年金情報サービス」の申し込み方法
詳しくは、「電子申請・オンライン事業所年金情報サービス GUIDE BOOK(PDF)」 を参照ください。

4-1)GビズIDまたは電子証明書を取得
「GビズID」は公式HPから取得手続ができます。無料ですが発行までに2週間程度かかります。
https://gbiz-id.go.jp/top/
4-2)e-Govのマイページにログイン
gBizID等でe-Govのマイページにログインします。gBizIDとは、企業や個人事業主が政府の各種オンライン行政サービスを利用するための共通認証システムです(経済産業省が提供するサービスで、IDとパスワードを一度取得すれば、複数の行政サービスにログインできます)。
https://shinsei.e-gov.go.jp/
4-3)利用申込み(e-Govから日本年金機構へ)
電子送達の申込み画面にて、被保険者データの送付希望について「希望する」を選択すると、以後、希望する月に被保険者データをe-Govのマイページで受け取れます。
「GビズID」の種類
gBizIDプライム(実印+印鑑証明が必要) |
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gBizIDメンバー |
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gBizIDエントリー |
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5)支払方法(納付方法)について
具体的な納付方法は3つあります。
5-1)現金納付
現金納付の場合、毎月決められた日に事業所へ納付書が届きます。あとは他の公的料金の支払いと同じように、銀行などの金融機関で現金納付するだけです。
5-2)口座振替
口座振替を行いたい場合は、「健康保険厚生年金保険・保険料口座振替納付申出書」を提出します。用紙は年金事務所の窓口で入手できるほか、日本年金機構のHPで印刷することも可能です。用紙に必要事項を記入し、口座振替を行いたい金融機関へと提出して手続きは完了します。
5-3)電子納付(Pay-easy) ←おすすめ!
直接窓口に行く手間が無く、いつでも・どこでも・かんたんにオンラインで支払いが完結します。利用する場合は、保険料納入告知書に記載された「収納機関番号(00500)」、「納付番号(16桁)」、「確認番号(6桁)」の情報があれば可能です。インターネットバンキングはあらかじめ利用する金融機関と契約を結ぶ必要があります。
※Pay-easy(ペイジー)とは、パソコンやスマートフォンから、事前登録や申込不要で、国庫金納付や社会保険料を支払える決済サービスです。このPay-easyに対応しているため、インターネットバンキングから国庫金納付や社会保険料をお支払いいただけます。また、「ダイレクト納付」を利用すると預金口座から引き落としされるため、納付手続きがさらに楽になります。
6)まとめ
6-1)gBizIDプライムは「助成金・補助金」にも必須!
今や助成金・補助金の申請方法が、電子申請に移行してそれが主流となってきました。そして「gBizIDプライム」を活用できる助成金・補助金は主に経済産業省や中小企業向け施策として実施するものが多いです。したがって、このID取得のメリットはオンライン事業所年金情報サービスだけでなく、助成金などの申請にも役立ちます。以下に代表的な助成金・補助金をご紹介します。
- 事業承継・引継ぎ補助金
- ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 東京都の創業助成事業(創業助成金)
6-2)創業助成事業とは?
東京で創業予定の方・創業して5年未満の方が応募できます。
(公財)東京都中小企業振興公社が実施している、返済不要の助成金です。
東京都から認定されているアントレサロンに入居している方は、創業助成金に応募することができます。
助成額 :上限400万円(助成下限額100万円)
助成率:3分の2以内
詳細はこちらをご確認ください。
6-3)アントレサロンとは?
アントレサロンは東京都の「インキュベーション施設運営計画認定事業」に選定されていますので、入居して6ヶ月経過後、弊社と2回面談すると「創業助成金」への応募資格を得ることができます。
gBizIDプライムを取得しておくことで、電子申請が可能になります。オンライン事業所年金情報サービスを利用することで、郵送されていた社会保険関係の書類をオンラインで受け取ることが可能となります。e-GovやgBizIDを活用し、業務の効率化とコスト削減、さらには助成金・補助金の申請時にも活用しましょう。
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