これから事業を始める方とお話ししているとこんなことをおっしゃる方がいらっしゃいます。
「商品力には自信がある、利用してみればわかるよ。でも営業は苦手なので、どうやって売ったら良いかが分からない・・・。」
どんなに良い商品やサービスも、お客様をただ待っているだけでは売れません。売上を上げていくためにも、営業に必要なスキルは身につけておく必要があります。
そこで今回は、営業マンの行動を基に、売れる営業に必要な3つのスキルについてお伝えしたいと思います。
目次
売れる営業マンと売れない営業マンの差はなんだろう?
売れない営業マンは『商品のメリットを説明すれば売れる』と思っている方が多いと思います。
しかしこの場合、既に購入意欲があり、ある程度の基準を決めている顧客にしか通用しませんし、それではただの『説明員』になってしまいます。
売れる営業マンは、説明するだけではなく、『その商品、サービスが、顧客にとってどんな利益をもたらすか』というベネフィット(=顧客にとっての良い効果)をしっかり伝えられるのです。
言い換えると、『顧客の悩みや課題を解決できるかどうか』を常に考えたトークを心がけているのです。
売れる営業に必要な3つのスキル
1.売る商品、サービスについて、顧客に“どんな利益をもたらすか”を考えよう
営業をする際、売る商品、サービスの説明をするのなら説明書で足ります。上記でもお話した通り、顧客が求めるのは商品、サービスそのものではなく、ベネフィットです。
自分が販売しようとしている商品、サービスが何をもたらすのか、どんな場合に有効活用できるのか、どれ位あったら十分なのか、様々な角度から検証し、顧客ごとに最適な提案をする準備をしておくことが大切です。
その際に重要なのは、商品、サービスの機能(スペック)、メリット、ターゲットの絞り込みを行い、整理することです。以下の様な表にして、分析してみるもの良いでしょう。
以下はダイエットサプリを例にしたものですが、ベネフィットのパターンは他にも考えられると思います。営業が苦手という方は、以下の様な表を用い、どのようなベネフィットが導き出されるか、色々な選択肢を考えてみましょう。
商品・サービスの内容 |
商品・サービスの機能(スペック) |
メリット |
ターゲット |
ベネフィット |
---|---|---|---|---|
ダイエットサプリ |
最高級エキス入り |
飲みやすい錠剤タイプ。1日1錠でOK。食事制限がいらない。 |
体脂肪が気になるが、健康にも気を使いたいビジネスマン。 |
短期間で無理なくかっこいい体形を手に入れたい。 |
成人病が気になるので、健康な体を維持したい。 |
ここで気を付けたいのはしっかりと「ターゲットを設定すること」です。同じメリットでもターゲットが違うと、ベネフィットの捉え方も変わってしまうからです。
2.“売り込み”はしない
顧客が何を求め、どんな課題を解決したいのかがわからないにも関わらず、ひたすら商品を説明し、「このような素晴らしい商品なので買ってください」と言ったところで「これはいい。買います。」という顧客は限りなくゼロといっても過言ではありません。
無理に顧客の選択肢を狭めたり、強要されたりしても「自分で選びたい」という気持ちから、反発されてしまうこともあるでしょう。
その為にも、顧客の購買心理がどの段階にあるのかをしっかりとヒアリングし、段階に合わせたアプローチを心掛けることが重要です。ここでは、有名な「AIDMAの法則」に照らして説明します。
(1) 認知段階(認知:Attention)
商品・サービスの内容を知る(認知)する段階。
(2) 興味・関心がある(興味・関心:Interest)
問題や課題を解決する上で、その商品やサービスが有効であるかを検証している段階。
(3) 検討段階にある(欲求:Desire ~ 記憶:Memory)
その商品・サービスが顧客にとって有効だと思い、欲しいと思うが、他社の商品・サービスと様々な観点から比較検討をしている段階。
(4) 購入する予定(行動:Action)
他社とも比較、検討済みで、その商品・サービス購入したいと考えている段階。
3.顧客を知ろうとすること
売れない営業は、「2.“売り込み”はしない」でも触れた通り、ひたすら自社の商品・サービスを売り込もうとします。結果売れなかったとしても「これだけいいものなのに何で良さが分からないのだろうか」と考えてしまいがちです。
どれだけ素晴らしい商品・サービスであったとしても、そこに価値を見出すのは「顧客」です。
顧客がどんな事業をして、どんなことに悩み、どんなことを実現したいのか、相手の状況を詳しく知り、的確に答えられてこそ信頼も得られます。
「顧客の課題は何か?自社サービスがもたらすベネフィットは何か?」ということを常に意識した営業活動を心掛けましょう。
まとめ
起業して間もない方は、特に「営業が苦手」とおっしゃる方が多いように思います。
しかし、自分で考え抜いた商品やサービスなので、それに対する情熱や愛着が深く、ベネフィットを分析する作業はむしろ楽しく感じるのではないでしょうか。そしてコツさえつかめば売れるようになります。
このコラムを読んで、少しでも苦手意識を持たずに営業活動に励んでもらえると幸いです。