出資・株式等で起業資金を調達する方法とメリット・デメリットを徹底解説

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起業する時には、最低限必要となる起業資金を調達しなければなりません。調達方法としては、出資、個人借入、融資、補助金などに分類できます。ここでは、出資についての概要とメリット、デメリットを解説します。

出資とは、事業の成功を期待する人にお金を出してもらうことです。代表例としては、株式発行してお金を集める方法で、返済の必要がない資金です。その代わりに、株数に応じた「配当金」や「株主総会での議決権」などの権利が出資者(株主)に与えられます。

ただし、まだ事業としての実績がない起業家の方や、起業資金や設備資金をそれほどかからない事業形態の方は、まず起業家の個人資産である自己資金を出資して事業をスタートさせるケースが多いです。以下、4つの出資を例にメリット、デメリットをあげます。

自己資金

メリット

  • 起業家の自己資金の割合が他の資金より多いということは、出資者である起業家の経営権が保持され、経営の自由度が高いと言えます。
  • 金融機関や行政から融資を受ける際、審査が通りやすいです。業種や売上にもよりますが、少なくとも3分の1は自己資金として用意しましょう。貸し手側は、返済可能性はもちろんですが、自己資金をどのように準備したかで、起業に対する真剣さや経営者としての資質を表すものとして見ているからです。
  • 返済の負担がないので、毎月の支払いに追われることがなく安心して経営ができます。

デメリット

  • 自己資金には限界があるため、自己資金だけでは事業拡大ができません。或いは、自己資金が用意できるまで時間を要します。
  • 事業清算した場合、自己資金が回収できないため、個人資産を同時に失うことになります。

社員持株会

メリット

  • 社員が資本金を出資する方法で、会社の株を持株会として社員が保有する仕組みです。会社の業績と連動するため、社員のモチベーションアップにもつながる。
  • 株を時価よりも安い価格で買え、未上場の場合は上場すると大きなリターンが得られる。
  • 毎月、給与から引いて定期積立のように購入できるため始めやすいです。

デメリット

  • 持株会は規約や組織を作って運営する手間がかかります。
  • 社員の退職時に会社は株を現金買取りしなければならない、また社員は在職中に気軽に株を売りづらいので、短期的な売買を目的とした資産運用手段としては不向きです。
  • 小口の出資者が増え、株主が分散します。

他企業からの出資受入

メリット

  • 株主が分散せず、大きな出資が期待できます。
  • 出資元の他企業から、資金面だけでなく人的、技術的、営業的な面などでの協力が期待できます。

デメリット

  • 株式の出資比率のうち自己資本が50%を下回ると、経営権が奪われる可能性があるので出資者の構成には注意が必要です。株式発行数が多い大企業になると、グループ企業や関連会社などの安定株主を含めた比率が重要です。
  • 他企業の出資比率が高くなればなるほど、他企業の発言力が高まるため、経営の自由度が損なわれ、経営者が思うような経営ができなくなることがあります。

ベンチャーキャピタル(VC)

ベンチャー企業に対して、ハイリターンを目的とした投資を行う投資会社(投資ファンド)のことをベンチャーキャピタルと言います。主に、未上場企業で高い成長率が見込まれるベンチャー企業に出資し、上場や事業売却により利益を得ます。

資金面の援助だけでなく、事業の進捗状況を把握し経営的なアドバイスも行います。取締役会等にも参画して経営陣に対して様々な提案や指導をします。

メリット

  • 優れた技術力やビジネスモデル、経営者のビジョンに賛同が得られれば、社会的認知度や実績、担保力にかかわらず、資金調達ができるのがベンチャーキャピタルの特徴です。
  • 技術力はあるが、事業を進めていくノウハウや人材がいないベンチャー企業に対して、成長段階に応じた必要な支援を行い、他企業との連携や紹介などの手助けもしてくれます。
  • ベンチャーキャピタルからの出資により信用力が高まります。

デメリット

  • 出資者の意向を反映させる必要があります。
  • 事業計画が上手くいかないと判断されると、資金回収が早まり事業継続が困難になります。
  • 上場準備などの間接費用の負担が大きいです。

おわりに

出資について、種類とメリット、デメリットについて解説しましたが、段階的に考えると、起業時における資金調達の方法としては、個人資産による自己資金のみか、顔が見える身近な少数の人からも出資をしてもらうという形態がほとんどです。経営権も起業当初は起業家が自社の株を所有して、所有と経営が一致した状態でスタートします。

そして、会社が成長するにつれて、信用力も徐々に高まり、出資による調達方法の選択肢が増えていくというのが一般的な流れと言えます。

したがって、起業の際に、ある程度の自己資金を確保しておくことは、起業をスムーズに始め、起業の成功を左右する大きなポイントになります。

Published by アントレサロン