「SWOT分析」とは、起業の際の経営戦略や自社計画の分析などの際によく使われ、自社の強み弱みや自社を取り巻く環境などを知ることができるフレームワークの一つです。4つの要素から構成され、自社の強み弱みや自社を取り巻く環境などを見つけることができます。ただ闇雲に使っても意味はなく、正しく理解して使わないと、既存事業の改善点や伸ばすべきポイントなどを見つけることが難しくなってしまいます。
今回は、SWOT分析について基本的なことから、自社の経営戦略や計画分析などに上手く活用できるようポイントをまとめて解説していきます。
◇SWOT分析とは?
SWOT分析とは、既存事業の改善点や伸ばすべきポイント、新規事業の将来的リスクなどを見つける際に用いられるフレームワークです。起業のタイミングや自社計画の分析に使われる有名なフレームワークですが、名前は知っていても「実はよく知らない」「知っているけど使い方がいまいちわからない」と言う方も多いです。
SWOT分析では、自社の外部環境と内部環境を、プラス要因とマイナス要因に分類して分析しています。分類された各要素はStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)と呼ばれています。
これを元に戦略を決定したり、決定した戦略を分析してレビューすることで活用していくことができます。
SWOT分析では、縦軸を「内部環境」と「外部環境」、横軸を「プラス要因」と「マイナス要因」に分けて分析します。
内部環境は経営資源など、社内でコントロールできる領域を指し、Strength(強み)とWeakness(弱み)が該当します。外部環境は競合他社の動きや市場動向など、社内でコントロールできない領域を指し、Opportunity(機会)とTreat(脅威)が該当します。これら4要素は主観で振り分けるのではなく、顧客視点や将来の成長度合いなど、いろいろな視点から分類していくことがポイントです。
◇SWOT分析を使って自社の強みや弱みを見つけよう
SWOT分析で4要素の洗い出しを行ったら、各要素を掛け合わせて「クロスSWOT分析」を実施していきます。SWOT分析はあくまで状況を知るためのものなので、それを元に今後の戦略を立てていきます。
- 「強み×機会」
自社の強みを使って機会を活かすための道筋を考えます。 - 「機会×弱み」
時間をかけて自社の弱みを補強し、今後ある機会を活かす方法を考えていきます。 - 「強み×脅威」
自社の強みを活かして脅威による影響を避けたり、脅威を逆手にとって差別化を目指します。 - 「弱み×脅威」
自社の弱みを理解し、脅威による影響を避けたり、最小限に留める手段を考えます。
SWOT分析を活用する際は、「何のために分析を行うのか」という目的をはっきりさせることが大切です。目的が曖昧なまま進めてしまうと、分析そのものが目的になってしまい注目すべき点や結果がズレてしまいます。また、分析を行う際は、「顧客視点」や「客観的視点」など様々な視点を持つこともポイントです。
各項目を漏れなくピックアップすることが必要になるからです。そのためには一部門の限られた人数で行うのではなく、いろいろな部署から多様な視点を持ったメンバーに参加して貰うのが望ましいでしょう。
◇SWOT分析を使ってみよう
具体的な分析の流れを確認していきましょう。
- 目的を決め、分析を行う対象を決定する。自社全体を分析するのか、それとも一事業だけに絞るかを決めて、効果的な分析につなげます。
- 次に外部環境と内部環境の吟味を行う。外部環境は景気や市場ニーズ、ライバル企業の動向など、内部環境は資源や営業力、顧客サービスなどが項目になります。
- 項目が決まったら、外部環境である「機会」と「脅威」から分析を進める。内部環境は多かれ少なかれ外部環境に影響を受けます。外部の分析が終わったら、内部環境である「強み」と「弱み」の分析を進めていきましょう。
- SWOT分析が終わったら、それを組み合わせたクロス分析を行うことで事業計画や経営戦略に繋げていきましょう。
💡ポイント
クロス分析を行うときは、それぞれの項目を平行して行うのではなく、課題や戦略に従って優先順位を付けることが大切です。状況や目的にもよりますが、特に検討優先度が高いのは「機会×強み」の掛け合わせです。即ち「積極戦略」のことで、これが成功すると、他の戦略にもポジティブな影響が波及したり、ビジネスの成長拡大などの可能性が高くなるからです。
クロス分析ができたら、結果を具体的な計画に落とし込んでいきましょう。
◇フレームワークを活用してマーケティング戦略を立てよう
SWOT分析を活用することで、自社の強みや弱みが見えてきます。SWOT分析はあくまで状況を分析するためのフレームワークなので、そこで終わるのではなく、強みを伸ばし弱みをカバーするために今後の経営戦略に活かしていくことが大切です。そのために、クロスSWOT分析を行い、具体的な計画に落とし込んでいく必要があります。
そして、実際に計画がある程度進んだら、必ず計画のレビューを行い、課題の出現や実態との食い違いなどが生じていれば見直しを行っていきましょう。