「フランチャイズ」というビジネスモデルをご存知でしょうか?有名な事業形態であるため、多くの人は一度くらいは耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、何となく聞いたことはあるものの、具体的にどのようなものか知っている人は意外と少ないかもしれません。
今回はそんな分かりそうで分からないフランチャイズの選び方についてお伝えします。
フランチャイズとは?
フランチャイズとは、加盟する人や法人(フランチャイジー)が、フランチャイズ本部(フランチャイザー)が提供する既にブランドが確立した「お店の看板」、「商品やサービス」を使用する権利を得て、本部に対して対価を支払う仕組みをいいます。
フランチャイズのメリットとデメリット
フランチャイズの主なメリット
1.知名度の高い商品、サービスで事業を始められる
個人として起業したり、独立開業する場合、自身の商品やサービスを認知してもらうための活動が必要不可欠です。
しかしながらフランチャイズの場合、専門的な知識やノウハウが無くても事業を始められるのです。
つまり、フランチャイズで開業する最大のメリットは、最初から知名度やブランド力、商品力が確かな事業で始めることが出来るため、事業の成功率が高くなるということなのです。
2.未経験でも始められる
フランチャイズで開業する場合、どこにお店を構えるかという立地の選定から、事業を開始するまでのノウハウがパッケージ化されています。
本部には集客の仕方や接客などの営業ノウハウや、運営に関する詳細なマニュアルがあり、本部担当者が数日から数か月かけて研修を行うので、未経験でも事業を開始することができるのです。
3.継続的な集客支援が受けられる
どのような事業を始めた場合でも、広告費をかけ、見込み客を作る為の「集客」に苦労をしているという方が多いです。
小規模で始める場合、高額の広告費を捻出することは難しいため、地道な活動や、創意工夫が要求されます。しかし、フランチャイズの場合はテレビCMなどの大規模な集客方法を本部が実施してくれます。その為、運営に専念できるのです。
4.商品・サービスについて
商品の開発や改善、サービス向上といったブラッシュアップも本部が行う仕事です。そのため、加盟店は店舗運営やスタッフの採用・育成に専念することが出来ます。
フランチャイズの主なデメリット
1.本部に対価(ロイヤリティ)を支払う必要がある
加盟店は、加盟している期間中、ロイヤリティを支払い続けます。利益が思うように上がらないときでもロイヤリティの支払いは発生します。
2.店舗のオリジナルメニューや独自のキャンペーンが出来ない
フランチャイズの場合、そのほとんどがオリジナルメニューや独自で考えるキャンペーンを行うことは難しいです。
3.外部環境の変化に対応しにくい
店舗周辺のライバル店の出店や、人口の変化など、オープン当初からの外部環境の変化に対応するため、業態の変更や移転をすることは基本的にできません。
4.契約終了後、同業種で出店が禁止されているケースが多い
契約終了後、同業種で出店しようとしても、ノウハウ流出防止を理由として、数年間は同業種での出店が禁止されているケースが多いです。
どんな業態があるの?
フランチャイズの業態も様々です。
大きく分けて以下の3つの業態に分けられますが、細かく分類すると150種類ほどあると言われています。以下で例にあげたものは有名なものばかりですが、それ以外にも弁護士事務所や病院といった業態もあります。
小売業
外食業
サービス業
選ぶときに気を付けなければいけないことは?
1.本部のサポートが受けられるかどうか
本部のサポート、つまりは経営指導や支援があることは非常に重要です。
本部からのアドバイスやサポートが受けられると思って契約したところ、実はそうしたサポートがパッケージ化されていない「ボランタリーチェーン」としての契約だったというケースです。しっかりとした経営指導や支援が無いために、トラブルになるケースもあります。
ただし、必ずしもボランタリーチェーンが悪いということではなく、ある程度ノウハウがある方が契約する場合、フランチャイズよりも自由度が高いのでむしろ好まれることがあります。
事業を始める際、ノウハウがなく、本部からの指導やサポートを受けたいと考えている場合は、フランチャイズチェーンとボランタリーチェーンの違いをしっかりと認識しておいた方が良いと思います。
2.本部に依存しすぎないこと
フランチャイズオーナーとなったら、ビジネス上、本部とは対等な関係となります。
つまりは自己責任ということです。
基本的に、本部のノウハウを素直に受け入れ、ある程度のコミュニケーション能力がある方なら、事業を継続し、成功する確率は高いと思います。
しかし、売上が下がった時など、「すべて本部の責任」と思うような方は、そもそもフランチャイズオーナーとしては不向きだと思います。
本部が提供するノウハウをいかに活用し、創意工夫するかといった努力を行うことは、フランチャイズオーナーとして必要不可欠なことなのです。
3.契約書にはしっかり目を通す
当たり前のことではありますが、加盟店として契約する場合は、契約書をしっかり読み込んでから契約しましょう。
本部からの指導やサポートに制限があったり、契約解除のペナルティ等も理解した上で契約を結びましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。もし実際に契約を検討する場合は、数社の契約内容をしっかり比較しましょう。本文でもお伝えしたとおり、安易に契約することでトラブルとなり、訴訟に発展するケースも少なくありません。しっかりと見極め、自分に合った内容のフランチャイズ本部と契約を結ぶことをお勧めします。