日本で2011年頃から市場が展開されている「クラウドファンディング」は、インターネットを使った新たな資金調達の方法です。実現したい商品・サービスなどのアイデアがあれば、個人でも気軽に支援者を募ることができます。
さらに、商品発売前にユーザーの反応を確認する、テストマーケティングとして活用できることもメリットの1つと言えるでしょう。今回はメリット豊富なクラウドファンディングの購入型について説明します。
目次
購入型クラウドファンディングの基本
購入型とは?
支援者へのお礼のことを「リターン」と呼びます。支援者がこのリターンを購入するような感覚でクラウドファンディング(CF)に参加できるのが、購入型の特徴です。
All-in型とAll-or-Nothing型
購入型には主に2種類あり、「All-in型」は支援者が1人でも現れた時点でプロジェクトが成立します。支援者の申し込み時点で決済が完了し、その都度資金を受け取ることが可能です。集まった資金が目標金額に到達しなくても、確実に資金を得られることがAll-in型最大のメリットとなります。
一方の「All-or-Nothing型」は目標金額に達した場合のみ、プロジェクト成立とみなされます。目標金額に到達したら資金を受け取ることができます。
リターンの設定例
一般的には、出資額に応じて6~15種類程度のリターンを設けておきます。価格設定は自由ですが、少額は1000円から、大口では10万円以上のケースも少なくありません。大口リターンを設けておくことで、思わぬ高額出資を得られる可能性があります。
あおぞら教室やライブへの参加など、イベントに参加できる体験型をリターンにすることも可能です。イベントの開催に関して、日時・場所などを詳しく記載する必要があります。
リターンとして最も多く見られるのが、海外の便利グッズ・記念品などのモノによるリターンです。プロジェクトの商品そのものをプレゼントするケースも見られます。
その他にレストラン割引など、サービスをリターンに選ぶ方法もアリです。プロジェクトによって起業などを目指す場合、その企業・店舗で利用できる割引券を配れば事前にファンを獲得できるかもしれません。
プロジェクトに合った事業者を見つけるコツ
様々なプラットフォームが存在するので、自分に合ったものを選ぶことがプロジェクト成功の鍵となります。事業者ごとに集まりやすい支援者やサポート内容など、特徴は様々です。特に得意ジャンルがサイトによって異なるため、自身のプロジェクトと類似性の高いものを確認する必要があります。
例えば自身のプロジェクトが映画製作だったとしましょう。この場合、プロダクト系を得意とする事業者を選んだ方が過去の実績を活かしてサポートして貰えます。また、プロダクト系を数多く手掛ける事業者には、映画に興味のある支援者が集まりやすいです。そのため大規模なプロモーションをしなくてもある程度の資金を得られる可能性があり、成功率アップに繋がります。
必要であれば1度担当者(キュレーター)に相談してみると良いかもしれません。
【購入型】クラウドファンディング事業者一覧
MOTION GALLERY
MOTION GALLERYは株式会社MotionGalleryが運営しています。
クリエイティブな活動の資金調達が得意分野で、その規模は国内最大級にして、国内最安の手数料10%で運営しているプラットフォームです。
お問い合わせ:https://motion-gallery.net/contacts/new
BOOSTER
BOOSTERは株式会社CAMPFIREが運営し、株式会社パルコが共同経営しています。
お買い物で暮らしをもっと豊かに楽しくするがコンセプトのクラウドファンディングプラットフォームです。掲載されているプロジェクトには日用品やアパレルを中心に小売を営む小さなショップやチーム向けにPARCOの強みを活かしたサポートをしています。
お問い合わせ:https://camp-fire.jp/inquiries?type=booster
GREEN FUNDING
プロダクト系専門のGREEN FUNDINGは株式会社ワンモアが運営しています。
全国約1,200店舗の「TSUTAYA」「TSUTAYA BOOKSTORE」「蔦屋書店」「蔦屋家電」&日本最大の共通ポイントカード「Tカード」と連携し、ガジェット・雑貨・映画・出版・音楽などジャンルを問わず様々なプロジェクトを掲載しています。
お問い合わせ:https://greenfunding.jp/portals/contact
CAMPFIRE
CAMPFIREは株式会社CAMPFIREが運営しています。
2011年のサービス開始から、掲載プロジェクト32,000件以上、延べ支援者数230万人以上、流通金額は200億円となる国内最大級のプラットフォームです。エンタメ、ものづくり、地域貢献を中心にカテゴリを問わずプロジェクトをサポートしています。
お問い合わせ:https://camp-fire.jp/counsels#main
JAPANKURU FUNDING
JAPANKURU FUNDINGは株式会社デイリー・インフォメーションが運営しています。
日本語・英語・中国語の3言語対応クラウドファンディングプラットフォームで、主に地方創生・観光地・訪日インバウンドの課題解決に強みがあります。
Kibidango
Kibidangoはきびだんご株式会社が運営しています。
手数料10%〜14%と低く、プロジェクト成功率は約8割を誇るクラウドファンディングサイトです。きめ細やかなアドバイスと豊富なメニューによるサポート体制を持つのが強みです。
お問い合わせ:https://soon.kibidango.com/entry
GoodMorning
GoodMorningは株式会社GoodMorningと株式会社CAMPFIREが共同運営しています。
CAMPFIREグループが運営する唯一のソーシャルグッド特化型クラウドファンディングです。社会課題の解決を目的とした商品開発から、被災地の支援まで、幅広く社会を変えるプロジェクトをサポートしています。
個人、企業、非営利法人など、広く活用できます。
お問い合わせ:https://form.run/@goodmorning-consult
READYFOR
READYFORは運営会社READYFOR株式会社が運営しています。
日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービスです。
2011年3月のサービス開始から約120億円の資金を集め、中学生から80代の方まで幅広い方々の夢への一歩をサポートしており、ソーシャルビジネス系のプロジェクト掲載が多い特徴です。
お問い合わせ:https://readyfor.jp/short_proposals/new
A-port
A-portは株式会社朝日新聞社が運営しています。
新聞社の持つ強みを活かしたサポートが特徴です。
Makuake
Makuakeは運営会社株式会社マクアケが運営しています。
全国100社以上の金融機関との連携により日本各地の事業者が活用、国内外の流通パートナーとも連携し、プロジェクト終了後も事業が広がるよう支援。
お問い合わせ:https://www.makuake.com/apply/
コストを最小限に!助成金の活用方法
集まった資金から、事業者への手数料を引いた額が実際に受け取る金額です。実はクラウドファンディングを利用した場合、助成金・補助金を出している自治体があります。
例えば東京都では、クラウドファンディング事業者への手数料2分の1(上限40万円まで)を助成金として出してくれます。指定された期間内にプロジェクトを掲載し、全てのリターンを提供していることが助成金を受け取る条件です。その他にもいくつかの条件があるため、該当しているか事前に確認する必要があります。
集まった資金をより多くプロジェクトに活かすために、コストの削減は重要なポイントです。また、資金調達の面だけではなく、テストマーケティングの費用削減にも繋がります。助成金を上手く使えばプロジェクト成功により近付けるので、1度検討してみると良いかもしれません。
クラウドファンディングを活用した資金調達支援事業のHPはこちら
クラウドファンディングは夢の実現への第一歩!!
まとめ
- クラウドファンディングは、やり方次第で予想以上に資金が集まることも多く、様々な成功例が見られます。プロジェクトを成功させる秘訣は、自分に合った事業者を見つけることです。
- 支援者の心理を考えた、リターンの設定も購入型においては重要なポイントとなります。初めて利用する場合は担当者(キュレーター)に相談してみることで、最適な事業者が見つかります。
- テストマーケティングによって、本格的に売り出す前に、限定的に少量の商品を売ることで、消費者の反応や声を確認することができるため、商品の改良や在庫を抱えるリスクを減らせるといったメリットがあります。
- クラウドファンディングでのプロジェクト掲載実績は、その後の融資申請や営業トークにも活かすことができます。
起業をしたての方やこれから新しい商品・サービスを販売する方は、クラウドファンディングを検討してみてください。