起業、創業を検討する際、どんな業界で起業するのか、またどんな資格が必要かどうかを考えるかと思います。
今回は、主な業界とそれにまつわる資格についてお話ししたいと思います。
目次
アパレル・ファッション業界
ファッション、おしゃれ好きという強みを活かしたい!という方なら一度は憧れる業界がアパレル・ファッション業界です。起業をしたいという方でも業界経験のある無しに関わらず、自身のファッションブランドを立ち上げたいとか、アクセサリー販売をしたいという夢をお持ちの方が多いです。
季節や流行に左右されやすい消費者ニーズをとらえ、生産から小売りまで一貫して手掛けるというビジネスモデルが主流で、主に接客の能力が必要とされるので、高いコミュニケーション能力を有するかどうかが問われます。
特に「これ」という資格を持たなくても事業を始められる業界ではありますが、以下のような資格を取得し、仕事に役立てている方が多いです。
・カラーコーディネーター
・色彩検定
・販売士検定
・TOEIC
不動産業界
不動産業界は、土地や建物などに関わる業界で、主に以下のような4つに分けられます。
「建てる」(設計、建設・施工)
ゼネコン、ハウスメーカーなど
「売る」(販売)
デベロッパー(開発業者)、ハウスメーカー、住宅・マンション販売会社など
「貸す」(賃貸業)
賃貸不動産仲介会社など
「管理する」(管理)
不動産管理会社
不動産業界で働く方は以下のような資格を取得しています。
・宅地建物取引士
・不動産鑑定士
・土地家屋調査士
・インテリアコーディネーター
・色彩検定
商社業界
就職活動をする際、人気の高い「商社」業界。しかし商社とは何をしている会社か?と問われると意外と答えられない方も多いのではないでしょうか。
例えば鉄板を作り、自動車や航空機などの製造会社に売りたいという企業があるとします。
しかし鉄板を作るためには原材料が必要です。このような時に、原材料を輸入し、鉄板の製造会社(製鉄所)に搬入するまでの手続きをするのが商社の仕事。つまりは仕入れた商品を企業へ売り渡す「仲介ビジネス」がメインとなっています。
商社には大きく分けて2つあり、「ラーメンから航空機まで」とよく言われる幅広い商品を扱う「総合商社」と、特定分野の商品を扱う「専門商社」があります。
商社マンになるための資格はありませんが、商社業界で働く方は仕事の内容によっては、以下のような資格のスキルを求められることがあります。
・TOEIC
・通関士
・貿易実務検定
・ビジネス法務検定
物流業界
日本の産業にはなくてはならない業界です。商品開発から消費者の手元に届くまでの流れ(サプライチェーン)の全体を後方から支え、様々な形で合理化する提案をしていくのが物流会社の役割となります。
物流業界は、未経験でも働ける反面、資格を持っておけば、収入の面でも大きく違ってくるのが特徴といえます。
・通関士
・運行管理者
・衛生管理者
・危険物取扱者
・フォークリフト運転技能
・消防設備士
金融業界
金融業界に関わる資格は、大きく分けると3つあります。
1.特定の職種に不可欠な「業務独占資格」
「業務独占資格」は有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格です。
2.企業で働くために取得する資格
業務独占資格ではないが、ある業務を行うために必須とされる資格です。
3.知識習得のために取得する資格
知識習得や財務、経理の専門的な能力があることを証明できる資格です。
飲食業界
飲食業界で役立つ資格は大きく分けると3種類あります。
1.調理するための資格
調理師
「調理師」は安全な料理を作る調理のプロのことをいい、日本独自の国家資格になります。
食品の「栄養」や「衛生」、「適切な調理法」などの知識を用いて安全で美味しい料理を作るのが仕事です。
管理栄養士
栄養士の上級資格で、栄養関連では、国が認める唯一の国家資格です。
管理栄養士は、栄養士より更に専門的な知識を用いて栄養指導や食事の管理指導など、責任ある立場の仕事を任されます。高齢化や生活習慣病の増加に伴い、病院や福祉施設、保健所、学校、官公庁など様々な場面で高く評価されている資格です。
2.サービスを提供するための資格
ソムリエ
「ソムリエ」とは、日本ソムリエ協会(JSA)と全日本ソムリエ連盟(ANSA)の二つの団体が認定している民間資格です。ですので、実は資格を有しなければソムリエを名乗れないというわけではありません。
しかしながら、資格を有することで、ワインをはじめとする酒類のプロとして、主に飲食業界で社会的に高く評価されているのです。
レストランサービス技能士
「レストランサービス技能士」は、飲食店におけるサービスのスペシャリスト、つまりはいかにお客様に満足してもらえるサービス、おもてなしができるかを問われる資格です。飲食店に関連する資格の中では、唯一の国家資格で、職業能力開発促進法に定められた名称独占資格でもあります。
飲食店や、ホテル、旅館などで働く場合、サービスという目に見えないスキルが明確になるため、社会的にも高く評価されます。
3.仕事の幅を広げるための資格
フードコーディネーター
フードコーディネーターは、食の専門知識を使い、食のトータルプロデュースをする資格です。
食に関する商品開発、レストランプロデュース、店舗経営、販促など、全てに関わります。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品衛生責任者養成講習を受講すれば誰でも取得できる資格です。
飲食店や喫茶店などを営業する際や、魚介類や食肉などの販売業、店舗、施設等の公衆衛生を行うために、食品衛生責任者を置くことが義務付けられています。
最後に
いくつかの業界とそれにまつわる資格を挙げてみましたが、いかがでしたでしょうか。今回例に挙げた資格以外にもたくさんありますが、「この業界にはどんな有資格者が向いているか?」とあらためて聞かれると、なかなか思い浮かばないかと思います。
皆さんの今後のビジネスに、少しでもお役に立てたのであれば幸いです。