企業がプレスリリースを使ってメディアや一般の人々に対して情報を発信するケースが増えています。しかし、プレスリリースに詳しくない方は、どう書けば良いのかわからないでしょう。
そこで本記事は、企業がプレスリリースを出すときに知っておきたい、言葉の意味や目的、注意点、書くときのポイントを解説していきます。
目次
プレスリリースとは?
プレスリリースは、企業や行政組織が新たな商品や新サービスを社会に広報する公式な文書です。「プレス」+「リリース」の単語の組み合わせで、「プレス」はメディアや報道機関を指し、「リリース」は公表や発表を意味します。主な題材は、各分野の新商品・新サービスの公表、開発、リニューアル、事業・パートナー提携、プロモーション、クラウドファンディングなど幅広く利用できます。
例えば、自動車会社が新車を販売するときに、発売日の前に商品のプレスリリースをメディア向けに公開するのも1つの事例です。そして、プレスリリースは情報発信が効果的となる販売直前や一週間前などのタイミングが効果的です。
プレスリリースを書く目的とは?
プレスリリースは、メディア関係者向け情報を公表することが目的の1つです。ステークホルダー(利害関係者)と報道関係者用の1次資料を公開するため、メディア関係者はリアルタイムな生の情報を手に入れられます。
また、企業側が作成したプレスリリースの情報が、新聞やテレビ、雑誌、ネットのメディアで広められます。近年は、PDFなどで閲覧できるデジタルメディアの普及でネット上の公開も増えています。投資家や報道機関、一般顧客が先んじて情報を収集することが可能です。そのため、認知度や信頼度が向上します。
企業にとって集客メリットが多々あるため、積極的にプレスリリースを書いて、マーケティングに活用する企業も少なくありません。
プレスリリースのメリットとは?
プレスリリースのメリットは以下の2つが代表的です。
1)広告費を抑えられる
まず、広告費を抑えられる理由は、プレスリリースが、広告を出さなくても勝手にメディアが保有する自社の紙面・サイトで広めてくれることです。つまり、広告用の高い費用をかけずに、集客効果を得ることができます。
2)自分の言葉で伝えられる
次に、プレスリリースは、企業や組織が自らの言葉で情報を伝えることがメリットです。
商品・サービス内容を第三者が勝手に紹介するのではなく、主体的にメッセージを伝えられるため、自社が求める意図・PR内容を入れて独自に発信できます。広告には文字数やデザインの制限があり、第三者が用意したメディア報道では情報が歪められる可能性もあります。しかし、プレスリリースには上記のような制限が一切ありません。
プレスリリースの注意点
起業したばかりの方がプレスリリースを利用するときは、次のような注意点にも気をつけます。
1)最適なメディアでの配信
プレスリリースは、どこのメディアで配信してもよいわけではありません。むしろ、配信先を間違えると意味がなく、逆に嫌悪感を与えることもあります。
第一候補としては自社のサービス内容に興味があるか、すでに報道情報の配布など関係のあるメディアです。他にも候補先として、自社商品・サービスが想定するターゲット層の読者を抱えるメディアや配信サービスです。
以上、自社とメディアを普段使う読者のニーズがマッチしていることを優先して決めます。
2)各種対応が発生する可能性がある
メディアの報道に対して、さまざまな対応が発生する可能性にも注意が必要です。
プレスリリースは、ネットを利用することが多いため、想定以上のユーザーがアクセスすることでサーバーダウンが起きることがあります。サーバー負荷への対応やサーバーダウンへの対処を考えておくことです。想定よりも購入者数が多い場合、生産が間に合うかわからず、増産の対応に追われることもあり得るでしょう。
さらに、プレスリリースは、メディアを通じて間接的に発信された情報に齟齬が生じることがあります。具体的には、こちらの意図しない報道がされる場合です。
そのとき、報道したメディアに対してニューリリース情報の是正や抗議、自主的なメッセージの再配信などの対応が発生することも想定しておくことです。
プレスリリースの書き方のポイント
プレスリリースを書くときは、以下のポイントを押さえます。
1)重要性・社会性がある内容にする
自社利益を優先する広告とは違い、プレスリリースは重要性や社会的に価値のある内容を入れて発信します。なぜなら、プレスリリースを取り上げるメディアは、広告塔代わりになって売上を伸ばしたいのではなく、価値ある情報を一般の人に伝えたいと考えているからです。
例えば、ガン患者向けの新たな医薬品開発に成功した場合、多くの救われる人や医療メーカー・病院にとって価値ある情報です。そこで、メディアが取り上げやすい内容を入れて、情報価値の重要度を高めます。
2)タイトルを工夫しよう
プレスリリースを読むときは、多くの報道関係者・ステークホルダー(利害関係者)がタイトルを先に読みます。
タイトルで、どんな情報を伝えるプレスリリースか、わかるようにすることが重要です。その上で、読み手の気を引くようなタイトルを考えましょう。だからといって、センセーショナルなタイトルを付けすぎると、内容に疑問を持たれてニュースとして扱えないと敬遠されて逆効果になるので気をつけましょう。
報道関係者は、毎日毎日多くのプレスリリースを見るため、タイトルだけで内容を見てもらえない可能性もあります。初めて利用する時は他社のプレスリリースを研究することをおすすめします。
3)画像
通常、SEOコンテンツやホームページ記事とは異なり、プレスリリースはわかりやすさ、情報の要約が大事です。そこで、画像を添付・使用して、文章以外でもわかりやすくする工夫をします。文章だけでは内容が不十分なプレスリリースでは、理解促進のために画像が必須となります。
選んでもらうために、プレスリリースを作成したら「より短い時間で伝わる内容になっているかどうか」を客観的に評価してください。
4)トレンド
プレスリリースは、社会にとって重要で価値ある情報なだけでなく、サブカルチャーや娯楽のように、一般のトレンドを反映した内容も別にあります。特に、アーティストや芸能関連の新規商品・新サービスは、トレンドを反映した内容にするべきです。興味を引くと同時に、宣伝以外のトレンド要素も情報として付け加えましょう。