アンケートの集計と分析を行うにあたって抑えておきたいポイントとは?

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起業を成功に導くためには、事前にアンケート調査を行って市場をきちんと分析することが重要になります。もっとも、そうは言っても具体的にどのような方法でやればよいか分からないという方は少なくないのではないでしょうか。
以下ではアンケート調査を行う際に知っておきたいポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

1.アンケート分析の集計方法にはどんなものがある?

アンケート分析の集計方法には、大きく分けて単純集計クロス集計自由記述集計という3つの種類があります。それぞれに特徴が異なるため、これらの方法を状況に応じて使い分けることが、アンケート分析の効果を高めるポイントになります。

1-1.単純集計

回答者の実数や割合、平均値などを質問ごとに集計するという方法で、アンケートの全体像を把握するのに適しています。

1-2.クロス集計

単純集計によって得られたデータを複数の項目と掛け合わせてより精緻に分析する方法で、例えば、年代や性別といった属性をプラスして分析することによって、回答の違いを見ることが可能です。

1-3.自由記述集計

回答者が自由に記述できるアンケートの集計方法です。いくつかのやり方がありますが、数値の場合にはグラフに変換し、文章であればカテゴリ分けやテキストマイニングなどを用いてデータ化した上で分析するケースが一般的となっています。

2.分析方法について

アンケートの分析方法として用いられることが多いのは、クラスター分析アソシエーション分析主成分分析決定木分析などです。

2-1.クラスター分析

このうちクラスター分析とは、データを類似性が高い、いくつかのグループに分けるというやり方で、例えば、顧客の購買履歴や属性を基準にグループ分けすれば、類似したニーズや嗜好を有するセグメントを作ることが可能になります。

2-2.アソシエーション分析

アソシエーション分析は、データ間の規則性や関連性を探るというもので、スーパーのレシートデータを活用して同時に購入されやすい商品を洗い出すことができます。

2-3.主成分分析

主成分分析は、多数の変数をより少数の主成分に集約する方法であり、これを使えば学生の成績データから数学や英語等の科目を、文系理系といった主成分にまとめることが可能です。

2-4.決定木分析

最後の決定木分析は、データを分岐させて分類するという手法で、上手く使えば顧客の満足度や離反率といった目的変数に影響を及ぼす説明変数を検出できます。
以上の分析方法は、いずれも目的や特徴が異なるので、データから有益な知見を得るには目的に応じて使い分けるようにしなければなりません。

3.アンケート分析のポイントについて

アンケート分析を行う場合には、最初に全体の傾向を見た上で、後から細部を確認することがポイントになります。
まずは、回答者の属性や回答率平均値や中央値などの基本統計量項目間の相関やクロス集計などの関係性といった情報を基にしてアンケートの目的や仮説に沿った分析の方向性を決定し、その後に細かい部分について詳しく見ていくようにしましょう。

次に、データの有意性を考慮するというのもポイントです。回答に含まれる偶然に生じたばらつきや誤差に惑わされないようにするために、統計的な検定を行ってデータの有意性を検証することが重要になるのです。
さらに、有効回答の基準を決めるというのも分析を行う上での重要なポイントです。欠損値や外れ値、不正回答などの問題が回答に含まれ得るので、結果に歪みが生じないようにするために、有効回答の基準を決めて、データのクリーニングを行う必要があるのです。
加えて、アンケートの結果を分かりやすく伝えるためには、適切なグラフを選ぶというのも意識しておきたいポイントだと言えるでしょう。

4.Excelを活用した分析方法について

Excelを使うとアンケートの回答を効率的に分析できます。実際に行う際には、目的と仮説を設定した上で分析方法と指標を選び、Excelの機能や関数を使って分析するようにしてください。その上で分析結果を考察すれば、有益な情報が得られるはずです。
例えば、外出先で使う営業リストをExcelで作成して管理するようにすれば、特定の商品のマーケティング対象を効果的に選定できるでしょう。ピポットテーブルなどの機能を使って過去に類似商品を購入したり、関心がありそうな年齢層の顧客を絞り込むだけで良いのです。
また、アンケートの回答をExcelで管理するようにすれば、必要な数値を抽出してグラフを作成したり、会議で使う資料に掲載する図を作成したりする際に便利です。

5.ツールやソフトでの分析について

アンケート分析に使用できるツールやソフトには様々なものがあります。それらの中には、無料で使えるフリーソフトもありますが、その多くは機能が限られているため、特に商用目的で使用する場合には、期待しているスペックを備えているかどうかを事前に確認するようにしなければなりません。

それ以外では、アンケート作成ツールのようなものも存在します。あらかじめフォームが用意されているため一からアンケートを作成せずに済むほか、様々な方法を用いて分析できる機能が搭載されているものが多く、得られた回答を効果的に活用することが可能です。
ツールを使って回答結果をCSVファイルなどの形にすれば、Excelに取り込んで集計することもできます。

6.分析を上手く活用する為の注意点

アンケート分析をうまく活用するには、調査目的を明確にしておかなければなりません。目的が曖昧だと、せっかく調査を行っても効果的に回答を収集できなかったり、集めたデータをうまく分析できなかったりする恐れがあるからです。また、闇雲にアンケートを行って徒労に終わらないようにするには仮説の立案や分析を想定した調査設計、適切なデータ収集などを行うようにしなければなりません。
事前に仮説を立てておけば、回答を照合してその正確性を検証できますし、分析方法を踏まえて調査を設計しておけば、得られたデータをスムーズに検証できるようになるでしょう。

7.まとめ

以上のように、アンケートの集計方法や分析方法には様々なやり方があります。それぞれに特徴が異なるほか、活用できるソフトやツールも数多くあるので、ケースバイケースでニーズに合うものを見つけて利用することが重要です。
この記事で紹介したポイントをしっかりと頭に入れて、効果的にアンケートを行うようにするとよいでしょう。

Published by アントレサロン