リスティング広告とは検索エンジンの検索結果欄に表示されるテキスト媒体の広告であり、通販サイトへの流入経路として効果的な取り組みです。特に事業立ち上げ直後はユーザーの流入経路を確保することが課題となるため、リスティング広告はしっかり押さえておきたいポイントとなります。
本稿はそんなリスティング広告について基礎的なノウハウを紹介する記事です。
1.通販でリスティング広告を使うメリットとは?
1-1.特定のターゲット層にアピールしやすい
リスティング広告は検索結果欄に表示されるという性質上、自社の商品に関連するキーワードで検索したユーザーへ効率的にアピールできるという強みがあります。広告を出稿した効果を得やすいため、コストが無駄になってしまうリスクを抑えられます。
1-2.他メディアとの相性が良い
他媒体の広告で認知度を稼いだり、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディアに取り上げられたりするとリスティング広告からの流入数も増加する傾向が見られます。テキストのみというシンプルな形式ながらも、他のメディアや広告と組み合わせた際の相乗効果が見込める点はリスティング広告のメリットです。
1-3.低予算
リスティング広告は数ある広告媒体の中でも低予算で始められることで知られています。一般的にリスティング広告はユーザーがクリックした分だけ広告料金が発生する課金形式が採用されており、最低出稿費用は最大手のGoogleでも1,000円です。効果が得られた時のみコストが発生するため、無駄な広告費用をかけずに済むと言えるでしょう。
1-4.柔軟に運用できる
広告を出稿したいと思ったその日に運用開始できるという点も、リスティング広告の大きな特徴です。広告文内容の変更や出稿停止にもフレキシブルに対応しているため、トレンドの変化や自社のマーケティング戦略に合わせて運用してみてください。
2.失敗パターンについて
2-1.タイトルや訴求文が弱い
テキストのみが掲載されるリスティング広告は、タイトルや訴求文にパワーがないと、思うようにユーザーを誘導できません。ユーザーの目を引くタイトルになっているか、訴求文は分かりやすい内容になっているかなどテキスト構成には細心の注意を払いましょう。
2-2.リンク先が適切でない
リスティング広告から遷移するページが適切に設定されていないと、せっかくクリックしてもらえても売上アップや顧客獲得に効果が反映されません。
例えば特定商品の販促にリスティング広告を利用する場合は、ECサイトのTOPページではなく商品販売のLPをリンク先として設定するのが基本です。広告内容に関連したページに遷移させるのはもちろんのこと、利用者の多いスマホ向けの表示対応やページの表示速度などにも配慮してください。
2-3.薬機法や景表法に違反している
通販事業者として商品を取り扱う以上、薬機法や景表法に則った表記を心がけることが大切です。誇大広告や優良誤認に関する取り締まりは厳しくなっている傾向あるため、タイトルや訴求文の内容は何度か見返して問題がないか確認するようにしましょう。
2-4.導線が適切に設計されていない
検索結果からいきなり商品購入ページに誘導しても、ユーザーは商品に対する情報を持っていないためコンバージョンに繋がる可能性は高くないでしょう。場合によっては「押し付けがましい」という印象を与えてしまい兼ねません。リスティング広告からは一度LPを挟んでユーザーに判断材料を与えるなど、適切に導線を設計することが大切です。
2-5.KPIがCPAに囚われている
顧客獲得単価を意味するCPAは広告運用において重要な指標の1つですが、リスティング広告のKPIをCPAだけで判断しないようにしましょう。元々関連キーワードで検索したユーザーに表示されるリスティング広告は、CPAに囚われると運用の幅が狭くなってしまう可能性があります。広告運用の目的に合わせた最適なKPIを設定してみてください。
2-6.他のメディアや広告と併用していない
ターゲットの狙い撃ちが得意なリスティング広告ですが、その効果を最大化させるためには他の広告やメディアと絡めた広告戦略が重要になります。テキストだけでは伝わらない商品やサービスの魅力は、動画広告やディスプレイ広告で補ってあげましょう。
2-7.単一の代理店に頼っている
動画や画像を用いないリスティング広告では、運用方法が広告効果を大きく左右するポイントです。したがって、パートナーとなる広告代理店は複数の候補を見積もっておくのが良いでしょう。仮に現時点で依頼している代理店で思うように効果が出なくなっても、他の代理店が強みを活かして結果を出してくれる場合があります。
3.リスティング広告代理店の選び方について
3-1.十分な実績がある
広告代理店の信用度は、実績の多さからある程度推察することができます。特に通販事業についての実績がどれくらいあるのかをチェックしておきましょう。特定業界の実績が多い代理店は、それだけ業界の事情に精通してノウハウを蓄えている可能性が高いです。
3-2.運用以外にもカートやLP制作が得意
通販事業では広告だけでなく、快適なユーザー体験を提供するためのカートシステムや情報を提供するためのLPも重要なポイントです。通販事業に精通した代理店であれば、多角的な視点から改善策を提案してくれるためECサイト運営全体のPDCAサイクルが回りやすくなります。
3-3.リスティング広告以外の得意分野がある
先に述べたように、リスティング広告は単一運用よりも他媒体との併用によって効果が引き出されるタイプの広告です。したがって、代理店側にもリスティング広告以外の得意分野があるのが望ましいと言えるでしょう。特にSNSや動画サイトでの広告運用に強い代理店がおすすめです。
3-4.運用体制
代理店側で、コンサルタントや広告運用者がしっかり配置されているかどうかを確認することも大切です。小規模代理店では業務を兼任するスタッフも珍しくありませんが、運用へのリソース確保が重要なリスティング広告ではある程度の人員で分業している代理店が望ましいでしょう。
4.リスティング広告は運用力がキーポイントの施策
シンプルだからこそ運用力が試されるリスティング広告では、自社の取り組みだけでなく代理店選びも大きなポイントです。期待できるメリットも多いですが、適切に運用できず失敗に終わってしまうケースも少なくありません。文章構成・他媒体との組み合わせ・継続的な効果測定と改善など、要点を押さえながら代理店と二人三脚で効果的に運用していきましょう。