起業を考えている方にとって、会社登記は重要なステップの一つです。しかし、会社登記には自宅や借りた物件で登記できない場合もあります。自宅住所を公開するのは抵抗がある方もいらっしゃると思います。
そんな時に便利なのがレンタルオフィスです。レンタルオフィスとは、登記住所として利用したり、契約プランによっては事務所として利用できるスペースを月額や時間単位で借りたりするサービスです。また、既に会社を作っている場合には移転住所として選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。
目次
1.会社登記
会社とは、法律上の主体として認められた組織のことです。会社を設立するには、株式会社や合同会社などの会社形態を選び、定款を作成し、登記を行う必要があります。
会社登記とは、会社の存在や事業内容を法務局に届け出ることです。法人をつくることによって個人とは別となり、法人としての権利や義務を得ることができます。会社登記には登記申請書や定款の写し、印鑑証明書などの書類が必要です。また、登録免許税や印紙代などの費用がかかります。
会社がいいのか?個人事業主がいいのか?
自身のビジネスの目的や規模によって異なります。各メリットは以下が挙げられますが自分に合った選択をするためには、事前によく調べて比較検討することが大切です。
会社
- 法人税率が低い
- 信用力が高い
- 社会保険や労働保険に加入できる
- 取引先が法人を望む場合がある
個人事業主
- 設立や解散が法人と比べると難しくない
- 会計や税務がシンプル
- 自分の意思で自由に経営できる
- 取引先が「個人事業主・法人」にこだわらない
2.レンタルオフィスで会社登記ができるのか
まず、会社の設立についてはレンタルオフィスなどでの共同オフィスでの設立を禁止する法律はありません。
登記が可能かどうかはレンタルオフィスの種類や契約内容によって異なります。登記のみ利用できるバーチャルオフィスや登記と合わせて施設も利用可能なプラン等、様々な利用の仕方がありますので、事前に契約内容や規約を確認することが必要です。
確認したいこと
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- 会社登記をする場合、別途手数料や条件があるかどうか
- 許認可が必要な業種、例えば医療や教育・金融などの業種は、法律や条例によって事業所の条件が定められており、レンタルオフィスでは満たせない場合があります。
事前に許可が下りるかどうか関係機関に確認しましょう。
3.レンタルオフィスで会社登記をする方法
レンタルオフィスで会社登記をする方法は、以下のような流れになります。
起業する計画を立てる
自分のビジネスの目的や規模、予算などを明確にし、会社形態や会社名、資本金などを決める必要があります。また、レンタルオフィスの種類や条件、費用なども検討する必要があります。レンタルオフィスの選び方については、後述の注意点を参考にしてください。
レンタルオフィスの内覧や申込みをする
実際にスペースや設備を施設見学や内覧で確認して、手続きについては会社登記ができるかどうかや契約内容や規約を確認します。同じ住所で同じ社名では登記できないので、予定の会社名と同じ名前の会社がそのレンタルオフィスに入居していないかどうかは必ず確かめましょう。
また、必要な提出書類を準備し、審査期間や住所をいつから使ってよいかを確認しましょう。
会社登記をする
レンタルオフィスの住所を会社の住所として登記します。必要な書類は、自分で作成するか司法書士や行政書士などの専門家に依頼することができます。
書類が揃ったら設立希望日に法務局に提出します。登記が完了したら会社設立の手続きは終了です。法人設立後は、すみやかに契約者の個人名義を法人名義に切り替えましょう。
注意点
レンタルオフィスの評判やサービスをじっかり調べ選びましょう。会社登記ができない場合、登記後に追加料金が発生する場合、契約期間や解約条件が厳しい場合などがあります。
また、レンタルオフィスの立地やアクセス、セキュリティや清潔さ、インターネットや電話などの通信環境、コピー機やプリンターなどの備品、受付や郵便物の管理などのサポートなども、レンタルオフィスの質や快適さに影響します。自分のニーズに合ったサービスが提供されているかどうかを確認することが必要です。
またレンタルオフィスは、ランニングコストを抑えて会社設立ができる便利なサービスです。事前によく調べて比較検討し、自分のビジネスに合ったレンタルオフィスを選ぶことが大切です。