テレワークなどが流行り「コワーキングスペース」という言葉を耳にする機会も増えたと思いますが、英語で表記すると「Co(共同の)Working(仕事をする)Space(場所)」になります。これといった定義はありませんが、誰かの専有スペースではない、住所をもたない「フリーアドレス制」の場所をコワーキングスペースと呼ぶのが一般的です。
利用者は空いた席を自由に使うことができ、誰がどの席という決まりはありません。その日の気分に応じて使えるのがコワーキングスペースのメリットです。細かい機能や設備はそれぞれに違いますが、利用に対して料金が発生するため賃貸オフィスより費用を抑えられるというメリットもあります。今回は、コワーキングスペースをオフィスとして借りるときにどのような点に注意すべきか、チェックポイントを紹介します。
1.オフィスの場所(地域)を選ぶ
場所の選定は、オフィスを選ぶうえで欠かせません。まず通勤しやすいことが一番です。もし毎日「通勤」するのであれば選定の際の重要ポイントになります。そして、打ち合わせや商談のときに人を招きやすい場所であることも重要になってきます。公共交通機関でアクセスしやすいか、わかりやすい場所であるかどうかをチェックしましょう。
2.利用時間帯
オフィスとしての利用時間は、オフィスを選ぶうえで重要な要素です。24時間365日入館できるのか、深夜や祝日などが入館できない施設なのか。
もし短時間だけでよいならドロップインで利用するほうがお得かもしれません。ドロップインとは、出張などでも時間貸しで気軽に使えるスペースのことで、メールや電話といった簡単な業務をしたい方におすすめです。例えば、起業して賃貸オフィスのように頻繁に使いたいというときは、コワーキングスペースが合っています。
3.自社の「ワークスタイル」はどうか?
ワークスタイルによってオフィスの選び方は大きく変わってきます。静かに集中して仕事をしたいなら、レンタルオフィスのように個室が用意されているほうが合っています。しかし、異業種の人とも交流を図りたいというならコワーキングスペースがいいでしょう。または、交流会を設けているレンタルオフィスでもかまいません。
コワーキングスペースは、先述したようにその日の気分で自由に席を選べます。違う業種の人と話す機会が持てるため、思わぬヒントをもらえることもあります。
4.予算
予算は、オフィス選びで必ずチェックしておきたい大切な条件です。特に、起業したばかりのうちは、できるだけ予算を抑えておくほうがいいでしょう。少しずつ実績を作り、十分な収入が得られるようになってから賃貸オフィスを構えるという手段もあります。はじめから月々の出費が多いと、経費の捻出だけで精一杯になります。
コワーキングスペースなら、オフィスにかける予算を可能な限り落とすことが可能です。個室のレンタルオフィスもいいですが、自分専用のスペースを借りることになるため、その分予算が上がってしまいます。静かに仕事をするには個室を選びたいところですが、コワーキングスペースでも席の選び方や時間帯次第では静かに過ごせます。
5.受付
住所の利用を許可しているコワーキングスペースなら、郵便物の受け取りも可能です。また、個室利用が可能なレンタルオフィスであれば、商談など大切な来客にも対応できます。
仕事をしている以上、機密情報の保持は考えておかなければなりません。必要に応じてセキュリティは万全であるかどうかも必ずチェックしましょう。まず、自分の仕事の内容や特質を考え、そのうえでどこまでのセキュリティを求めるか判断することが大切です。
6.法人登記
起業する場合、考えておきたいのが法人登記です。コワーキングスペースやレンタルオフィスでも登記をすることはできます。ただし、登記利用が許可されないところもあるので事前に確認しましょう。
また、登記に利用できる住所であっても、自分のビジネスに合っている住所かどうか考える必要もあります。例えば、弁護士事務所を開設するなら裁判所などに近い住所であれば顧客に対して印象もよくなりますし、実際の業務にも便利です。
7.まとめ
仕事で利用するなら、コワーキングスペースやレンタルオフィスなど選択肢はいろいろあります。特に起業するときは予算を考えながら上手に選ぶことが大切です。新たなビジネス展開をするにしても、まず自分のビジネス内容を見直してみるといいでしょう。