サラリーマンが副業によって収入を得た場合、以外と見落としがちなのが税金の存在です。副業の場合でも、所得金額が少ないにも関わらず確定申告が必要となる場合があります。また、逆に、多い場合でも確定申告が不要となるケースもあります。
ここでは、副業でかかる税金について、気をつけたいポイントをいくつかご説明します。
1.副業でも確定申告は必要?
副業の収入と言っても、その所得の種類は様々です。所得法では、不動産所得や事業所得、給与所得など、10種類ほどに分類されています。
一般的には、本業で年末調整してくれる会社の社員の場合は、「給与所得や退職所得以外の所得」が、年間で20万円以下であれば、確定申告をする必要はないと言われています。
つまり、副業であっても「給与所得」にあたる場合には、例え年間所得金額が20万円以下であっても、確定申告が必要なことになります。
そもそも確定申告とは、1年間の収入・支出や扶養家族状況などから所得を計算し、どれだけの「儲け」が出たかを「申告書」にまとめ、税務署に納税することをいいます。
そして、年末調整をしてくれる会社とは、「本業の会社のみ」と定められていることから、2箇所以上から給与所得を得た場合には、それらを合算して税務署に申告し納税する(確定申告する)必要があるのです。
2.経費に気をつけよう
では、年間所得額が20万円以上だった場合には、必ず確定申告をしなければならいないのでしょうか。ここで気をつけなければならないのは、「経費」を差し引くことを忘れてはいけないということです。
たとえば、年間の売上が25万円だったとしても、それにかかった必要経費が10万円だったとしたならば、25万円-10万円=所得15万円となり、確定申告は不要となります。
では、経費として計上できるものとは一体どういった支出を言うのでしょうか。一般的に、経費として認められるかどうかは、その経費が「事業活動に関連している費用か否か」という点がポイントになります。 たとえば、個人的な家族旅行で使った交通費や宿泊費などは経費に含めることはできませんが、「視察」という目的で行った旅行であれば、その交通費や宿泊費は経費に含めることができます。また、自宅を事業所として使っている場合の家賃や固定資産税などは、床面積などを用いて事業使用割合を決定し、事業活動に関連して使用していると言えるならば、経費として含めることができます。
副業で収入を得た場合でも、その事業に関連している費用があれば経費として認められることから、支出の内容を示す請求書や領収書などを保管し、確定申告をする際には必ず「経費」として差し引くことを忘れないようにしましょう。
3.副業別パターン
先ほども述べたように、一言で「副業」と言っても、その所得の種類は様々です。ここでは、それぞれの副業別に「確定申告」のパターンを簡単にご紹介します。
アルバイトで収入を得た場合
給与所得者がアルバイトなどで「給与」を得た場合、収入金額に関わらず確定申告を行う必要があります。
また、確定申告の際には、本業・副業とも源泉徴収票が必要になります。
株式投資
株や投資信託を売却した場合、その収入は「譲渡所得」にあたります。そのため、20万円を超えた場合は確定申告が必要となります。ただし、源泉徴収口座の場合には、証券会社・銀行が投資家本人に代わって税金を納めてくれるので、金額に関わらず確定申告は不要です。
FXによる収入
FXによる収入は「先物取引に係る雑所得等」にあたり、申告分離課税の対象(個人のお客様のみ)となるため、所得額の大小にかかわらず、一律20%(所得税15%+住民税5%)の課税がなされます。
ブログの広告収入
副業でのブログの広告収入は、「雑所得」となり、その広告収入からレンタルサーバー代やドメイン取得にかかった費用などの必要経費を差し引いた金額が、20万を超えた場合には確定申告が必要となります。
ネット以外でお店を出して収益が上がった場合
ネットで販売する以外でも、フリーマーケットやワンデイショップなどの実店舗で収入を得た場合には、「雑所得」となります。この場合も、例えば原材料や出品料などの経費を差し引いた金額が、年間で20万円を超える場合には、確定申告が必要となります。
4.おわりに
「確定申告を行う」=「 税金をとられる」といったイメージがあるかもしれませんが、今まで述べてきた通り、事業に関連する費用であれば「経費」として差し引くことが出来き、納税額を抑えることができます。
ただし、経費として認めてもらうためには、支出の内容を示す請求書や領収書などが必要となります。たとえ、副業だったとしても、その経費が事業に直接関連したものであることを証明するためにも、請求書や領収書などを大切に保管し、正しく確定申告を行いましょう。