働き方の多様化や、政府が設ける様々な制度も後押しして、今や起業はブームとなっています。
その起業ブームおかげで「起業」という言葉がとても身近になってきました。日本政府の方針で、開業率5.2%(2015年度)を日本の成長戦略で10%に引き上げるということが決定しています。
つまり、国は起業を増やそうとしています。
開業率10%の目標をクリアするために、国や地方自治体では色々な施策を行っています。具体的には、起業に関するセミナーの実施、あるいは融資、補助金など、起業家向けのビジネスプランコンテストの実施など中小企業を支援する制度を充実させることで、開業率アップを目指しています。
しかしながら、残念なことに起業されても長く続かずに廃業される方も多いのが現状です。起業してから10年以内に多くの企業が廃業すると言われています。
そこで今回は、起業前に知っておくべき失敗事例について解説していきたいと思います。起業する前にお読みいただき、起業の失敗するリスクをできるだけ排除し、起業準備に役立てていただけたら幸いです。
目次
起業前に知っておくべき、失敗事例6選
1.過剰な初期投資は禁物!
立ち上げ当初から過剰にお金をかけすぎることで、失敗する方が多いです。具体的には、売上の目途も立っていないのに事務所を借りたり、多くの社員を雇用したり、収益のことを考えずに走りだす方は、失敗することが多いと思われます。
まずは、売上がどの位見込があるか、しっかりと計画を立てることが大切です。役員報酬や家賃などの固定費や光熱費など、収益を上回るリスクがあるかどうかを検討し、出来るだけ失敗のリスクを回避するためにも、事業計画書をしっかりと作成することをお勧めいたします。
2.起業の目的が曖昧、経験を全く考慮しない
起業をする際、目的が曖昧な方や、それまでの経験を全く考慮しない分野で起業をするケースも失敗する方が多くみられます。
起業を志す際、明確な動機があり、何かを成し遂げたい、続けていきたいという熱意をお持ちの方もたくさんいらっしゃいます。
しかしながら一方で、今の状況から変化を求めることだけを目的に起業する方や、流行っている事業だから儲かるだろうというような理由で起業を選ぶ方も多く見受けられます。
このような方はしっかりとした計画も立てないで行動するケースが多く、失敗する確率が非常に高くなります。
3.人の問題で失敗する
事業を始めるとき仲間選びはとても大切です。起業する際に、仕事の同僚、友人など複数の仲間で事業を始める方が多くみられますが、このようなパターンは失敗する可能性も高いです。
同じ志を持つ、事業内容に強い興味関心がある、事業に関するスキルを持っているなどの仲間も持てれば良いのですが、そのような方々がいない場合は危険です。
「起業する時に仲間が欲しい」、「誰でもいいから一緒に事業を始めたい」と気軽に友人、知人に声をかけて事業を始めてしまうのは、やめておいた方が良いでしょう。
うまく事業が進んでいる時はいいのですが、何か問題が起きた時には同じ志を持っていない場合はすぐ離脱してしまう、関係が悪化し始めてしまうと、話し合って解決するどころか責任をなすりつけあう状況になる可能性もあります。
仲間を集めて起業する時は、しっかりと同じ方向を向いて事業を行っていく仲間を見つけるよう、心がけましょう。
4.過去の成功体験に固執しすぎない
起業の際、前職と同じ事業を行う方が多いです。
過去の経験や強みを活かしながら起業するということ自体は大変良いことです。
ただし、前職の成功事例をそのままに、ご自身で事業を行おうと考える方はご注意ください。いざ起業すると、それまでの会社のネームバリューは使えません。また、事業の規模や仕事の環境も違いますし、ターゲットとする顧客層が変わり、同じやり方に当てはめることが難しいケースが多いです。
前職と同様の業務を行う場合は、事前に過去の成功事例が通用するのか再確認し、難しい場合はビジネスプランの練り直しを行うことも大切です。
5.市場調査を行わないで事業を始める
起業する方はある程度夢や思いが必要だと思いますが、具体的な根拠もなく「売れる」と思い込むことはやめましょう。
このように市場調査を行わずに起業する方も失敗する可能性が高いです。行う予定の事業が衰退している市場の可能性もありますし、同様の商品やサービスを取り扱っている競合他社が多くいる場合もあります。しっかりと市場調査を行い、人の意見を取り入れながら事業を進めていくとうまくいく可能性が高くなります。
6.事業計画書の作成やキャッシュフローの検討をせずに始める
事業計画書の作成やキャッシュフローの検討をせずに事業を始める方も多いです。このような方も起業で失敗する方が多いです。
事業計画書を作成すると、自身の事業について整理でき、損益計画などの数字面を明確にする上でとても役立ちます。
また、事業計画書を作成すると客観的に自分の事業を書き出すことで頭の中が整理でき、それまで見えてこなかった課題やリスクを発見することも出来ます。事業開始後の状況変化にも柔軟に対応することが出来るようになります。
事業の失敗のリスクを減らす為にも、事業計画書は作成しましょう。
失敗を回避するためにできること
以上に挙げたような失敗事例から、何も考えずに起業すると多くの失敗するリスクがあることが理解できたかと思います。
起業を成功させるためには、様々な事を事前に検討し、ビジネスプランを試行錯誤することが大切です。今回挙げたような失敗を招かないように、入念な準備をしてから起業しましょう。