標準産業分類ってなに?~企業が補助金や給付金を活用する際に不可欠~

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「標準産業分類」とは、統計を産業別に表示する場合の統計基準として、事業所において社会的な分業として行われる財及びサービスの生産又は提供に係るすべての経済活動を分類したものです。日本の公的統計における「日本標準産業分類」は総務省告示により定めています。
企業への公的支援政策における各種の許認可や補助金、給付金などを受ける時などは、この日本標準産業分類に基づいた業種で申告をする必要があります。この記事では、日本標準産業分類とはどのようなものか解説するとともに、具体的にどう活用すればよいのかを説明します。

1.そもそも標準産業分類とは?

標準産業分類とは、企業が行っている事業を大まかに仕分けして標準化し、各種の統計が客観的に比較できるように産業構造の可視化を図ろうとするものです。標準産業分類は、国際的な産業分類国によって個別の産業分類に大別されます。
国際的な分類基準は、国際連合の統計局が1948年に設定した「国際標準産業分類(ISIC)」がこれにあたり、生産という観点から経済活動を国際比較できるよう分類されているのが特徴となります。一方で国による個別の産業分類は、国際標準産業分類を基準にしながらも、地域の産業構造により密着した分類となっている点に違いがあります。
日本では総務省が定める「日本標準産業分類(JSIC)」がこれにあたりますが、全ての経済活動を産業別に分類している点が国際標準産業分類との大きな違いです。この分類を採用することで統計の比較性を高め、いちだんと利用しやすくすることをねらいとしています。

2.標準産業分類の活用方法

標準産業分類がビジネスのどの段階で必要になるのかを理解しておくことは、非常に重要なポイントです。結論から言えば、事業の許認可をはじめ、税金や社会保険、各種補助金や給付金などといった、公的な手続きのほぼ全てに標準産業分類による自社の業種を明記したうえでの申請が必要となります。

たとえば自社の事業が「運輸業・郵便業」であれば、運輸局に対して運送業許可の申請を行う必要がありますが、その際には標準産業分類による業種の記入が必要になります。また、返済義務のない補助金や給付金は企業運営に大切な資金となりますが、これは業種によって種類が異なったり、支払われる金額に違いがあったりします。そのため、標準産業分類による自社の業種を正確に把握しておかなくては、せっかくの公的資金が受け取れないというケースも生じかねません。

このように、あらゆるビジネスシーンで標準産業分類への理解は非常に大切になってきますので、しっかりと内容を把握しておく必要があるのです。

3.日本標準産業分類の区分について

次に産業分類の内容を具体的に確認しておきましょう。大まかな事業仕分けを行ったうえで徐々に細分化していくのが日本標準産業分類の分類方法ですが、「大分類」「中分類」「小分類」「細分類」とカテゴリー別に区分するのが一般的です。

  • 大分類とは、「農業・林業」「漁業」「建設業」「製造業」などといった産業の最も大きな枠組みをさし、全部で20項目が設定されています。
  • 中分類は大分類をさらに細分化したもので、99項目が設定されています。「農業・林業」を例にとれば「農業」と「林業」の2つが中分類になります。
  • 小分類は中分類をさらに細分化し、529項目が設定されています。たとえば「農業」の中分類はさらに「畜産農業」などに小分類化されます。
  • 細分類は、小分類をさらに細かく仕分けしたものです。1455項目が設定されています。「畜産農業」の小分類が「その他の畜産農業」などに細かくなるのが細分類の例です。

4.業種分類番号の調べ方について

日本標準産業分類には「大分類」「中分類」「小分類」「細分類」という4つの区分けがあることが確認できました。では、この区分けに基づいて実際に自社がどこに分類されるのかを確かめる方法として「e-Sat」というサイトがあります。

e-Statとは、全ての政府統計を収録した統計ポータルサイトで、面倒な登録は必要なく誰でもすぐに使用できるというメリットがあります。使い方は、キーワード検索に該当する業種を入力することで、分類コードと項目が示されますので、その中から該当するものを選択して特定していくという方法です。選択した内容が適切かどうかは項目ごとに示される「info」で詳細を確認できますので、間違える心配はありません。
総務省の公式ホームページにも一覧表が掲載されていますので、こちらから自社の業種をたどることもできますが、迅速に調べるのであればe-Statでの検索が適しているといえるでしょう。

Published by アントレサロン