6月12日に令和2年度二次補正予算成立により最大600万円の家賃補助「家賃支援給付金」の実施が正式に決定し、7月14日より申請受付が開始されました。
事業経営者にとって家賃・地代は大きな負担となる固定費のひとつです。
新型コロナウイルス感染症をきっかけに、5月の緊急事態宣言の影響などで売上が急激に落ち込んでいるオフィスビルやテナント事業者の家賃・地代の負担を軽減し、事業継続を下支えするための給付金です。
目次
1.「家賃支援給付金」の概要は?
主な申請要件
- 2019年12月31日以前から事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
- 2020年5月から2020年12月までの間で、新型コロナウイルス感染症の影響により 、以下のいずれかにあてはまること。
- いずれか1か月の売上が前年の同じ月と比較して50%以上減っている
- 連続する3か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して30%以上減っている
- 他人の土地・建物をご自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益(物を直接に利活用して利益・利便を得ること)をしていることの対価として、賃料の支払いをおこなっていること。
- 法人の場合は、以下の要件も満たす必要があります。
- 資本金の額又は出資の総額が10億円未満であること
- 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下であること
給付額・算出方法
給付額は、法人と個人事業者で異なります。
法人の場合
下図の給付率・上限額の算定方法にしたがって、月額給付額(上限100万円)の6倍、 最大600万円を受給することができます。
個人事業者の場合
下図の給付率・上限額の算定方法にしたがって、月額給付額(上限50万円)の6倍、 最大300万円を受給することができます。
2.申請時のポイントは?
(1) 2020年5月以降が基準となっている
既に実施されている「持続化給付金」 では、2020年【1月以降】のいずれか1カ⽉の売上⾼が前年同⽉⽐で50%以上減少していることが、基本的な給付要件になっていますが、「家賃支援給付金」では【5月以降】が基準となっている点に注意しましょう。
(2) 2019年5月と2020年5月の売上高を比較する
緊急事態宣言の休業要請等で、5月に売上が大きく減少した事業者は多いと思われます。まずは、2019年5月と2020年5月の売上高を比較してみましょう。
3.申請方法について
基本的には電子申請ですが、ご自身で申請を行うことが困難な方のために、「申請サポート会場」 が開設されています。補助員の方が入力サポートをして下さるので、不安な方は利用してみるといいでしょう。なお、申請サポート会場は新型コロナウイルス感染防止の観点から、完全予約制となっています。必要書類を準備の上、専用サイトから予約をしてください。
最後に
申請は7月14日から受付開始となりましたが、9月時点で給付は申請の1割以下という状況です。
提出書類が多く、書類の不備により再提出を求められるケースが多いことが、給付率の伸び悩みにつながっているようです。不備があればそれだけ給付される時期が遅くなってしまうので、申請する際は書類に不備がないかよく確認するようにしましょう。
また、東京都など一部の自治体では、家賃支援給付金を受給した方に対し、独自に上乗せで給付金を支給する制度があります。ご自身が事業を行っている場所の自治体で、上乗せの給付金がないか調べてみるとよいでしょう。
コロナ関連の給付金や公的支援策は、随時情報が更新されています。常に最新情報を入手するよう心掛け、公的支援策をうまく活用し、この難局を乗り切っていきましょう。