2012年から始まった「小規模事業者持続化補助金」は、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。申請枠は大きく分けて「通常枠、特別枠」の2つです。
今回新設された特別枠によって種類が増え、採択率なども考えると小規模事業者持続化補助金が更に使いやすくなったと思われます。創業したばかりの人には「創業枠」も用意されているのですが、ここでは主に創業枠について解説します。
目次
1.小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)とは
小規模事業者持続化補助金は、通常枠、特別枠のいずれか1つの枠のみ申請可能です。この制度は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
申請要件がそれぞれ異なりますが、大きな違いとしては、補助される金額の上限が異なります。通常枠は、補助上限額50万円です。特別枠は最補助上限額が最大200万円となります。
補助金の概要
類型 | 通常枠 | 特別枠 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
成長・分配強化枠 | 新陳代謝枠 | インボイス枠 | ||||
賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 | |||
補助率 | 2/3 | 2/3 (赤字事業者3/4) |
2/3 | |||
補助上限 | 50万円 | 200万円 | 100万円 |
補助対象経費
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
書面審査のポイント
自社の経営状況分析の妥当性
- 自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか
経営方針・目標と今後のプランの適切性
- 自社の強みを踏まえているか、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか
補助事業計画の有効性
- 具体的で当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか
- 達成するために必要かつ有効なものか
- 小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか
- ITを有効に活用する取り組みが見られるか
積算の透明・適切性
- 事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか
2.特別枠の「創業枠」について
特別枠の中の「創業枠」に申請するには、各自治体の「特定創業支援等事業」の支援を受けることが申請要件です。また、対象者は公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ、過去3か年の間に開業した事業者が対象です。創業したばかりの起業家の方は検討してはいかがでしょうか。
3.特定創業支援等事業について
特定創業支援等事業は、産業競争力強化法において全国の市区町村が民間の創業支援機関等と連携し、ワンストップ相談窓口の設置、創業セミナーの開催、コワーキング事業などの創業支援を実施するもので、国が認定することになっています。
創業支援には、各種セミナーや個別相談など、それぞれの地域の実情に合わせた支援メニューがあり、その制度を使用すると自治体から支援を受けたことを証明する「証明書」が発行されます。短期支援や長期支援などがあるので自分にあったものをお選びください。
また、「特定創業支援等事業」を利用することで小規模事業者持続化補助金の「創業枠」に申請できるだけでなく、この制度を使用するメリットの一つが、法人設立時の登録免許税の減免があります。
- 株式会社の場合:15万円 → 7万5千円
- 合同会社の場合:6万円 → 3万円
特定創業支援等事業の利用方法
ちなみに、弊社レンタルオフィス・コワーキングスペース「アントレサロン」は、特定創業支援等事業に認定されているため、弊社主催のオンラインセミナー等に参加することで、特定創業支援等事業を利用したことになり、創業枠の申請要件の一つをクリアすることができます。
- オンラインセミナーの受講
- 渋谷・横浜・桜木町・川崎・大宮アントレサロンに入居する
※特定創業支援等事業の対象となるアントレサロンが決まっているため、ご注意ください。
特定創業支援等事業を利用する場合は、アントレサロンにお申込後、以下の地方自治体ごとの申込みフォームで送信してください。改めて担当者より日程調整のご連絡をさせていただきます。
弊社と4回の面談終了後、区や市に証明書の発行依頼をします。証明書が発行されたら、その証明書を小規模事業者持続化補助金の申請するときに提出してください。
4.最後に
小規模事業者持続化補助金は、大変人気な補助金です。
是非この機会に特定創業支援等事業の制度も利用してはいかがでしょうか。
補助金は原則、返済不要です。資金調達を検討されている方は手段の一つとしてご活用ください。
補助金を申請される方は、「期間」に注意してください。例えば「9月から10月の間に対象となる経費をかけたものが補助対象となります」という記載があります。それ以外の期間に経費をかけてしまったら、補助対象外となってしまうため、必ず期間を確認しましょう。